【芝居】「外食王オムレット」ギンギラ太陽's
2012.9.16 12:30 [CoRich]
今までの主力メンバーではなく、プロデュース方式での「新しい座組」での公演。外食店をめぐる物語を、ハムレットの断片に乗せて90分。開演前にはミニ公演として大型家電量販店流通戦争と、恒例の撮影会があります。17日まで西鉄ホール。天神の一等地に店を構える小さな洋食屋という王国。業務用大型冷蔵庫の国王で小さいながらもやってきた王国だったが、食中毒事故により引退しスクラップにされてしまう。後を継いだ業務用ガスコンロ・オムレット王子。夢枕に父親が立ち金の亡者にコンセントを抜かれ陥れられたのだと訴える。天神の一等地という場所ゆえに、大国のマクドナルドの王子・バーガー王子はオフィーリアにぞっこんで、この店を手に入れたいと考えている。店の危機を感じたオムレットは、国の外に出て、外食を巡る飲食店・コンビニを交えたすさまじい状況を知る。古い王の親友だった・ロイヤルホストは大国だったが、各店舗に調理師を置いているロイヤル魂は昔のままだった。いったい、父を亡き者にした金の亡者は誰なのか。
個人店を想定したと思われる天神の小さな洋食屋と、ファストフード、ファミレス、コンビニ、ホカ弁という大手外食・中食チェーンの間で、天神という一等地とその店の看板メニューというオムレット姫をめぐる物語。ロイヤルホストこそ福岡発祥(今でも単なる暖め直しではなくて、各店で調理師が調理を行っているというネタが嬉しい)ですし、福岡では生活に根ざした「ウエスト」も少しばかり登場しますが、今作は福岡色はやや薄め。個人店をキーにしながらも、大手チェーン互いの陣取り合戦やその業態の特色を描き、「カノッサの屈辱」やら「マーケティング天国」といったテレビ番組(例が古くて申し訳ない)のような、「90分でわかる外食産業」というような仕上がりになっています。たとえばファストフードはセットメニューのポテトで利益を確保する構造になっている、なんていうのは知識としては知っていても、こういう流れで見せるのはもしかしたら、子供向けの食育にも使えそう。
「ハムレット」を所々にスパイスのように効かせているというのがちょっと面白い。ファミレスの目玉である三人の魔女(ドリンク婆、サラダ婆、スープ婆)が客を取り込んでみたり、オフィーリアに向かい、大手にとりこまれるべく「セントラルキッチン(尼寺)に行け」なんてのも遊びとして楽しい。(もっとも物語としては少々唐突なのはご愛敬)
他のチェーン店は実名なのだけれど、まるで黒魔術のごとき妖しさをかもしだし、物語として結果的にヒールなコンビニだけは特定の名称を出さないというのは、扱われ方として仕方ない気はしますが、そのおかげで、物語の着地点が早々にみえてしまうというのは痛し痒し。もっとも、青い看板やほっとステーションという単語から、ほぼ特定のチェーンには見えてしまうのはご愛敬。
そのコンビニを演じた中村雪絵は、西鉄ホールの最後列端からでも登場すればその表情だけで彼女だとわかる圧巻の存在感。被り物から顔だけ出すスタイルだけに、その表情のコントラストは大きな強みです。オフィーリアを演じた三坂恵美は、可愛らしく可憐でお姫様、というポジションをしっかりと。執事・しゃもじいを演じた宗真樹子のキャラクタはコミカルながらも奥行きを感じさせるしっかりとしたちから。次回はなんと正月期間。うあー、宿取れるかなー、交通機関高そうだな...
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