速報→「仏にイナズマ」ハリケーンディスコ
2012.9.14 19:30 [CoRich]
福岡発のクソ熱い芝居を90分。17日まで参宮橋トランスミッション。
ワークショップ開催している劇団に、「仕事」の「売場」だと勘違いしてやってきたヤクザ崩れの男とその友達。福岡のチンピラが東京で改造拳銃を流しているのを看過できない東京のヤクザ。改造拳銃の仕事を任されたヤクザ崩れは姿を消してしまう。
チンピラたちの熱い想い。雰囲気もその暑苦しい想いも昭和の香りがめいっぱい。長い髪なびかせ失踪するバイクのかっこよさに痺れ、無理筋な代理戦争(というにも悲しい、小競り合い)に涙したり(は大げさか)。
物語そのものは、ヤクザ物の王道のレプリカというか、よくある感じではありますし、物語の上での仕掛けとかか構造が面白いというたぐいの話ではありません。それでも、ばかばかしいほどに濃く描き、劇場の規模に対して過剰に装置というか舞台を作り込んだりと、どう考えたって効率の悪い芝居ということ、その存在が愛おしささえ感じさせるのです。
作・演出・出演に加えて、音響オペまで担当してしまう江崎穣の実直に芝居に向き合う感じがカッコイイ。東京のヤクザを演じた竹岡真悟は終始高いテンションで、むしろ劇画のように圧巻の説得力をこの嘘くさい物語の世界に。その女を演じた津波恵の存在感。ヤクザ崩れを演じた渡辺裕也やその友達を演じた山内一生、もうこの年齢に至り、若い頃に根拠もなく持っていた万能感が消え、先々どこまで行けそうかということに希望を失った中年の香り。会社員だったとしても、アタシにはむしろ近い感覚でそのどん詰まり感が身に沁みるのです。
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