2012.9.2 13:30
[CoRich]
渋谷のライブハウスを舞台に、ルールを課した5団体の対バン形式のショーケースイベント。38mmなぐりーずのMCで、休憩を挟みつつ本編120分、エキシビジョンとライブで+30分。2日まで、Glad。ワンドリンク(¥500)が必須。
15分の制限時間、5分おきに消える照明、10分で汽笛音、14分でBGMという時間の制限のほか、決められたシーンやセリフなど8つのルールで構成。
無人駅で電車を待つ男に話しかけてくるのは美少年だと言い張る男と、その知り合いと思われる女装した男だった「crpuscule〜俺とアイツの千秋楽」(鋼鉄村松)
死体や死に対しての恐れは獲得されるものではなく、遺伝するものなのだという説を唱える医者。同僚の医者はもちろん信じない。賭が提案され、死体と一晩をすごすことが出来るのかを実験してみることになる「A Watcher by the Dead」(声を出すと気持ちいいの会)
DJをする男、盛り上がっていこう、客席からも人を上げて、ダンスが始まる「BOOGIE BACK!!」(ランチョンfeat.木皮成)
(休憩)
彼女に浮気された男が幼なじみの女に相談する。浮気相手と別れさせると請け負うが、その浮気相手もまた、自分の彼氏だった。まったく反省する気のない二人、もうこれはどんな誘惑にも打ち勝つように相手を鍛え直そいうということになり。「恋に生きる人、ばかり。」(月刊「根本宗子」)
東京と呼ばれていた場所、山手線を銀色の鉄板で覆い、清潔で完璧な街になった。住む人々の行動は全て管理されるようになり、詩人は狩られるようになっている。発電所には赤い猫がいる。「赤猫の舌」
開演前、休憩、終演後に38mmなぐりーずのMCとライブ。既にでている「私を劇場につれてって」「KANGEKI☆おじさん」はライブハウス風にリミックス。あたしは初めて観る新曲「打ち上げ I misss you」と、カバー曲で構成。
5つの団体からそれぞれ一つのキャラクタを選んだエキシビジョンは、木皮成のもっているランチョンなるものを巡る物語。それぞれの物語のキャラクタの後日譚という体裁で、実に緩い芝居の作りで、エキシビジョンらしいといえばそういう感じ。
「crpuscule〜」は笑いいっぱい、おかしな人々がおかしなことをする、いわゆる「べろべろばあ」ですが、イキオイと妙な存在感で逃げきっったという感じ。
「A Watcher〜」は打って変わって、ホラー仕立てなのだといいます。開演前に役者の交代を告げて構造を作り、時間ごとのイベントを逆手にとって唐突に起こる怪奇現象的な出来事という感じ。正直にいえばオールスタンディングで舞台に寝ている人、座っている人というのは、それだけで見えない部分があって、効果は半減している感もあります。15分でホラーをやりきろうという意気やよし。
「ランチョン〜」はどこが演劇なんだ、という感はあります。ライブしているパフォーマーと観客自体を仕込んで、ライブのミニチュアを作っているという風情。観てて楽しいパフォーマンスではあるのだけれど、盛り上がる仕込みの観客と一般客の温度差が妙な感じになってしまうという感じはします。ボーイミーツガール風に乗せられたダンスの中の物語はちょっといい雰囲気。
「恋に〜」は、劇団の鉄板ネタ(
1,
2)
を再び再構成して、ダブルの浮気相手を更正させるネタに。時間ゆえか、ちょっと薄味な感じは否めません。根本宗子と野田裕貴の二人のかわいらしさ、おしまいの一曲はお祭りらしくて楽しいしきっちり踊りきる二人も観てて楽しい。浮気している男を演じた加藤岳史の反省のなさ、女を演じた梨木智香の強気な出方が楽しい。ちゃんと着替えてきたりするっていうのも見た目の楽しさにプラスに働きます。
「赤猫〜」は、12名という大所帯。街を作り出そうという心意気。ここもオールスタンディングに対して、いいシーンほど座り込んだりして見えないというのがあまりに多くて、惜しい感じがします。生演奏を盛り込んだり、足踏みならしたりというライブらしい楽しさはあるのだけれど、見えなければ魅力は半減してしまうと思うのです。東澤有香と百花亜紀百花亜希(ご指摘感謝)の逃避行がスタイリッシュで美しく。ハマカワフミエは赤い猫というアイコンのような役で印象を残します。
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