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2012.09.24

【芝居】「和いろいろ(C)」桃唄309+だるめしあん

2012.9.22 17:30 [CoRich]

桃唄309がカフェ公演として続けている他劇団との短編コラボ企画。本編60分、アタシの観た回にはおまけとして佐藤達による紙芝居企画が+約10分。

月に3人の女を抱くというノルマを自ら課している男。今日も授業をサボりクラスメイトの友達という女をバイクに乗せて連れ出す。海辺で戯れ濡れて砂だらけになった女は、男の家に行き料理を作ると提案する。が、女は男をその気にさせておいて、すんでのところで振る、ということを月に3人に男にすることをノルマとして課している伝説の女だった「ムラサメ」(劇団だるめしあん/作・演出 坂本鈴)
スナックの飲み仲間、年も誕生日も一緒の40になる男たち三人がコテージのキャンプのため田舎にやってくる。一人は少し派手な仕事で忙しい日々、一人は妻とうまくいっていない、一人はいい奴だけでどうにもモテない。そこにスナックの女の子が合流する。男三人のキャンプだったはずなのに、空気を読まずに口説く気満々でつれてきたのだ。「ザ・キャンプ40」(劇団桃唄309/作・演出 長谷基弘)

僕の名前「佐藤達」の由来とか聞いてみたけれど「おまけの紙芝居」

カフェの飲食が可能な雰囲気のまま、他の劇団と1編ずつの短編というスタイルも早くも春・夏に続いて秋の三回目。

「ムラサメ」は、○人斬りを自慢するようなモテ男と、そんな男を手玉に取ことが生き甲斐な女の対決、という、ある意味身も蓋もない下世話な話を骨格にしながらも、「血を吸って強くなる威力を増す妖刀」といったまるで新感線かという活劇っぽい物語を被せて、無理矢理にでも迫力ある活劇にという力業。単なる駆け引きの相手だったはずなのに気になる存在にまでなってしまうかと見せての終幕は、まあそういう結末になるだろうなと思いつつ、途中で見せた女の心配する気持ちは何だったのだろう、というあたりが置き去りになってしまっているのが惜しい気がしないでもありません。

「ザ・キャンプ40」はスナックの常連客3人でキャンプというのが無理矢理な感じはあれど、ある種「のび太」的なキャラクタである一人のサバイバル能力の高さが、キャンプという場所だから魅力的だという、まあよくある物語なのだけれど、それが40男たちだ、という、いくつになっても変わらない感が楽しい。そのサバイバル能力高い男を演じた佐藤達のほんわかした雰囲気ゆえに成立しているという感あれど、その対立軸となる小ずるい大人側を演じた浦壁詔一の雰囲気がまた実にぴったりあっていたりして楽しい。飲み屋の女の子といい仲になりそうだということも、狡さはあっても飲み仲間の幸せを願うという気持ちというのも、オジサンに向けてのファンタジーっぽく、どこかラッパ屋な雰囲気が漂い始めるというのも、なんか作家も年齢を重ねたよなぁと思ったり思わなかったり。

おまけとなる紙芝居は、佐藤達のほんわかしたしゃべり口と、絵の雰囲気が実にいいライフワーク (1, 2, 3, 4) 。もはや、これが付いている回をねらって行っているといっても過言ではありません。名前の由来を母親に訊いたらテレビに映ってたなんとかというあたりから、晩ご飯のモロヘイヤ入りカレー、そのモロヘイヤのキャラクタも実にほんわか、可愛らしいし、なんか古代にまで時間さかのぼったりという圧巻の広がりが楽しくてならないのです。

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