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2012.08.21

速報→「緑の指」世田谷シルク

2012.8.17 14:00 [CoRich]

戦場に桜を送る運動をしている緑化団体「緑の指」。彼氏に別れを告げられた直後にトラックが突っ込んできたところから間一髪逃げた女は、行きつけのイタトマで声をかけられ、衣食住のついたこの団体に入ることを決める。季節はずれで手に入らない桜の苗木を父親が運転手として働く邸宅から手に入れることに成功し、足りない活動資金も個人的になんとか手当していく実力が認められ地位をあげ、さらに植物を指さすだけで緑化してしまうという「緑の指」の能力を手に入れ、団体の中での地位を確固たるものにしていく。

道成寺といっても、どこにその痕跡があるのかまったくわからない感じ。女の恋心、裏切られたときの怨念といったことかな、と思う野です。主人公となる女の恋人との甘い時間、一番だよといって貰ううれしさ、そこから甘えるとウザがられ去る感じ、また団体のなかでそういって貰うことのうれしさ。 あるいはこの団体のリーダーを使って、その男らしさに彫れたのに恋人に甘えてくるようなことに幻滅する感じ。あるいは落とした携帯電話をもとに海外まで追いかけてなんとしても取り入ろうとする女。時に男に翻弄され、時に自立する女たちのさまざまな姿を描きだしているのです。

世田谷シルクらしく、ダンスは実に格好いい小劇場の役者でこれを成立させるのは結構大変だと思うのですが、きっちり空間を作っているのです。

暗転から、時間を退行、自分が生まれ、生命が生まれるところまでさかのぼり、さらに、この店にアルバイトの電話をかけてくるところで物語は終わります。暗転の中の音という終幕は少々唐突な感じは否めません。物語の着地点がどこにあるのか、実はまだ計りかねているアタシなのです。

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