速報→「浮遊」monophonic orchestra
2012.8.25 18:00 [CoRich]
リーディングの翌週に同じ役者、同じギャラリーの違う部屋で同じ90分。物語の骨子はかわりませんが、印象の違いも楽しいのです。25日まで新宿眼科画廊地下。
リーディングの時とはすこし違う印象。舞台にはテーブル、椅子、奥にはミニコンポや電話。劇場のトイレなどの導線もそのまま使います。
行方のわからなくなった女、探す探偵、依頼した同居人の男、という物語。リーディングではぼんやりとしか感じられなかったのだけれど、今作では、「浮遊」という言葉がそこかしこに感じられます。たとえば別れを告げられたけれどちょっと諦められないこと、たとえば行方不明になったまま12年たった姉のこと、幼なじみで何となく同居しているけれどどうしていくかきめなければいけない男女のこと。ふわふわと、ゆるやかに決めずに誤魔化していたことをはっきりしなくてはいけない時期がくる、ということ。作家自身にそう考える何かがあったのかどうかは知る由もありませんが、四十代も後半にさしかかろうかというアタシがそういうものがたりに魅入られてしまうというのもまあどうかと思ったりもするのですが。
奥にある壁を使って、主に探偵を演じた安川まりをキメるようにつくったシーン。開幕直後のヘッドホン、終盤での電話、ひとりで構図にいる、というのは物語の運びからすれば少々突飛ではあるのですが、写真のヒトコマの構図のように、実に決まる感じで印象に残るのです。
リーディングよりは導線が整理されたり、キメるシーンの美しさなど、見やすくなりました。反面、リーディングではあった、須貝英っぽい、ちょっとした笑いは、セリフは変わらないのに薄くなる感じなのは痛し痒し(けっこう好きだったりする)。こういう物語を見たことがあるわけではないのだけれど、たとえば自主映画、たとえば邦画の小品に合いそうな雰囲気が感じられたり、たとえば他の役者や演出がどう作るのかということを見たくなる感じではあるのです。
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