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2012.08.21

速報→「教文短編演劇祭 2012(予選Bブロック)」

2012.8.18 18:00 [CoRich]

短編演劇祭の予選Bブロック。120分。

男女がテーブルを挟んで座っている。女はずっと泣いている。別れ話をしているのだ「愛のテーマ」(TBGS:THE BIRDiAN GONE STAZZIC.)
恋人がいない私には男友達はたくさんいて、男は顔と財力だと思っている。恋人がいない私は消極的すぎて、男は性格だと思っている。久しぶりにあった二人は、サークルの先輩後輩で、男に求めるものが正反対。でも別れてから相手の考えかたもアリかも、と思ってちょっと変えてみた「ゴッドブレス」(パセリス)
降り続く雨、人間に連れてこられたのはイヌ、ネコ、部屋に居たのはステゴだという。一匹ずつ雨がやむまでは出られない。「N(エヌ)」(大人の事情協議会)
将軍様、労働歌を歌いながら働く人々。報告のために録音している。時折間違えては厳しく訂正するが、実は歌いにくいので少し変えよう、という提案が来る「さけびつづけるえれじい」(words of hearts)

「愛の〜」は男女の別れ話、長い沈黙と泣きじゃくる時間のシーンを見せたあとに、内面の声を被せながら繰り返す、という感じ。どこかで見たことあるような、という感じではありますが、内面の声を二人にやらせてボケたり酷いこといったり突っ込んだりという会話の体裁するというのはちょっと目新しい。突然ちょっと笑ったり、という細々した仕草の裏で何を考えていたかというのが見えるのが楽しく。男がわ→女がわの順番で繰り返すのだけれど、泣かれていてうんざりしてる男と、泣いてはいるけど割と醒めている女の対比が面白い。終盤であっと驚くかなり卑怯な展開があるのも印象を強くします。

「ゴッド〜」は、恋愛観の全く異なる二人の女、ちょっと晩生で積極的になれず男は性格だというようなことをいう後輩(青い服)と、男友達は沢山いて、わりと活発でパーティに通って、わりと軽く寝てしまう華やかな先輩(赤い服)という性格付けを二人に独白でそれぞれ対比しながら語らせて二人の会話、そこでこのままじゃいけないと思った二人はそれぞれ相手の性格をまねしてみようと考えて、そこから広がる感じ。違和感もあるし、そこからサークルの時の気になってた男の子たちと久しぶりにあって合コンしよう、という感じの楽しげ、展開の楽しさが見ていて楽しい。

「N」は全体にインスタレーションっぽく、女の子らしくう、可愛らしくを前面に押し出したような体裁。物語はノアの箱船、の話なのだけれど、「つがい」では個体が増えてしまって名前を付けるざるをえなくなる、それは個を分離してひとりぼっちにするのだ、という感覚がちょっと独特で面白い。その失敗から個体を一つづつにすれば個別の名前は不要で「イヌ」とか「ネコ」とかでいいじゃないか、という展開はしかし、あるしゅの絶望的な感じでもあります。舞台は終幕含めてわりとポップに仕上げていますが、その闇っぽい部分が興味深いのです。ほぼ唯一、笑いに走らなかったというのも印象を残します。

「さけびつづける〜」は、誰もが思い浮かべる将軍様と労働者の話。律するための労働歌が、ちょっと綻んでいくほんの一瞬を見逃していくとどうなるかという流れ。わりとキャッチーだけれど深刻な現実にリンクさせなくてもこの感じは伝わるんじゃないかとは思ったりします。

アタシが丸をつけたのは「TBGS」。点数はTBGSが55票、パセリスが43票、大人の事情協議会が34票、word of heartsが40票。

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