速報→「教文短編演劇祭 2012(決勝)」
2012.8.19 14:00 [CoRich]
決勝。芝居自体は全体で120分ほど、そのあとに開票や審査員の講評が30分ほど。
女子校から共学になったばかりだと云われて期待しまくって入学したのに、卒業まであと半年を残すばかりなのに女子とすれ違ったことすらないと生徒たちが教師に訴える。教師は女子生徒を見かけたことはあるというが要領を得ないし何かを隠しているのとも違うようだ。高くそびえる壁の向こう側に女子生徒は居るらしいが、それを乗り越えるには音楽、合唱しかないということになって「音」(オイスターズ、愛知)
「ふつうに愛、」(予選A勝者、劇団アトリエ、札幌)
「愛のテーマ」(予選B勝者、TBGS、札幌)
浮気する男たちを叩き直すために開設された「浮気防止道場」。何度も入ってくる男も居るが、恋人とその親が不安がるので安心させるために入ってくる人もいる。道場の卒業生、つまり更正プログラムに成功した男を呼んで一週間のワークショップが開かれる。厳しい訓練で一週間が過ぎ、最後の試験が行われる。この試験に合格した男の元に恋人が走り寄るが、男は素っ気なく「架空のイキモノ」(イレブン☆ナイン)
「音」は共学なのに女子に全く出会えないというアイディア、テンションで走りきる中盤、そこから合唱を各々が一音ずつ担当して一曲という無茶ぶり芸も含め、役者の高いテンションと構成の妙で飽きずに見続けてしまいます。
「ふつうに〜」は、二回目ということもあって新鮮な驚きを欠いてしまうのは否めず、父親のキレ芸が引っ張るような感じに見えたりもします。もっとも、娘も恋人もボケ倒す感じなので、20分を乗り切る作戦としてはこれはこれで正しいのだとも思います。服を少しずつ意味なく脱ぐというのもなんかちょっと面白い。
そういう意味では、「愛の〜」は二回目に見てもリピートに合わせた答え合わせのようなおもしろさが残るので、予選決勝というシステムの中ではうまく機能しています。終幕で綺麗にまとまりすぎてしまってるというところがないわけではないのですが、ちょっと泣きそうになるというのは決勝の中では唯一な感じでした。
前回の覇者による「架空の〜」は、浮気防止道場なる架空の更正施設を舞台にした悲喜こもごも。いわゆるアル中の更正プログラムのようなワークショップ(定例会)的なものがあったり、ブートキャンプよろしくな体を動かしての体力勝負のようなものもありの、という感じ。卒業試験として胸をはだけた女の前に動じないかどうか試してみたり、そこに動じなかったのが本当に幸福なのかといったぐあいにバラエティに富んでいます。ブートキャンプ画面では映像も使っています。
優勝したのは「イレブン☆ナイン」。二位には愛知からの「オイスターズ」。覇者の代表が舞台上でコメントしていたように、客席の盛り上がりを見ても、自分の劇団のファンを多く呼べたところが優位になるわけで、予選組は予選に客を呼ぶ算段はつけられても、決勝についてはどうしても予選通過後の呼びかけなのに、シード組は最初から決勝にねらいを定めて集客できますから、防衛側が有利という感じの流れになるのだと思います。終演後設定された参加自由の交流会によれば、これはお祭りで、盛り上げるというイキオイを作り出すことが目的になっているようなので、そういう意味では成功しているのだろうと思います。この不利な状況の中での下克上なら盛り上がるということもあるだろうとも思うのです。
短編の常として笑いをとる方向に持って行ったほうが有利に働くのもまた事実。決勝はそういう流れになりました。あります。それにしても決勝4劇団のうち、道内の3劇団はそろって不倫や浮気をネタにしていた、というのは、札幌がそういうトレンドなのか、ということはたぶんないとは思うのですが。
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 職務経歴書 | 2012.08.30 11:47