速報→「恥知られたら恥ずかしい(さよならカップル編)」ガレキの太鼓
2012.6.30 13:10 [CoRich]
ガレキの太鼓が「覗き見公演」と銘打つ人気企画。7月3日まで都内某所(品川駅にほど近いマンション)。55分。今回観た4本の中で一本を選べと言われれば、アタシはこれを選びます。
別れを決めて引っ越しの準備をするカップルの小さなワンルーム。長いつきあいだけに、何をどちらに分けるかで迷うものも多々。女はきっぱりと二度と会わないと決心はしているのだが、どうにも気持ちは揺れている。
一緒に他人と暮らしたことのないアタシ(泣)にはこの枠組み自体がファンタジーだったりしますが、一緒に暮らした日々に寄り添っていたもの、そこに込められてしまった想いをカジュアルにしかし丁寧に描きます。テレビやベッドという共有していたものをどうするか。値が張るから欲しいもの、値が張ってもあんまり欲しくないものということを「魂の」ということで描き始める序盤はきっと別れたカップルあるあるなんでしょう。中盤では貰った服や下着はどうするか、という命題のあれこれ。貰ったことを大切に想う気持ち、特に女性の側は少女のようで可愛らしく描かれて、きゅんとなるのです。終盤に至りラスボス的に登場する、プリントした写真をどうするかということ、そこから明かされる別れの事実。
じっさいのところ、作家が描こうとしてるのは、別れるという前提の元で会話する男女の濃密な会話という気がします。きっぱりと別れようと決心したのは女の側だということが再三示されますが、それでも男への想い断ち切りがたく、グラグラと揺れ動き、いっぽ足を踏み外せば元サヤになりそうな圧巻のアドベンチャーが繰り広げられるワンルームに、手に汗握るパワーゲームを楽しむアタシなのです。
男を演じた萬洲通擴はどこまでもニュートラルと余裕。ある種暴れる女の側を、ことさらに押さえつけるでもなく、あるがままで向き合うのが格好いいのです。云ってみれば壁打ちをする側の女を演じた岩崎アイは、時に上から、時に可愛らしく、ダイナミックレンジの幅の広さが圧巻です。終盤のコスチュームもどきどきとして眼福なのです。
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