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2012.07.04

速報→「浮游するへや」れんげでこはん

2012.7.1 16:00 [CoRich]

1日まで信濃ギャラリー(松本)。そのあと8.25に岡谷(CLUB THE MONKEY)、9.15-16に長野(ネオンホール)、10.13に飯田(CANVAS)という長野県横断ツアーが予定されています。会場の大きさに合わせてキャストを変更すると発表しています。

優秀らしいが研究が行き詰まり窮地に陥った研究者が呼び出したのは、高校の時の放送部の先輩だった。実験を受けて欲しいと頼む。実験は人の深層心理に入り込み、診断する人と心に浮かんだことを共有することができるという機器の実証だった。

インタビュー記事によれば、長野県内ツアー公演というのは松本でも珍しいのだといいます。信濃ギャラリーという小さな劇場で、ほぼ素舞台だけでというのも彼らにとっては初めての経験のようです。なるほどポータブルで名刺代わりという感じで何処にも持って行けるという雰囲気のコンパクトな仕上がり。

正直にいえば、物語の運びには少々荒削りな感じが残ります。60分という時間は、ワンアイディアで押し通すには少々長いし、バラエティ豊かにあれもこれも詰め込むには少々尺が足りません。 核となる高校の時に刺さった一本の骨、いまば彼女自身の想いのなのだという骨格の物語は広がりがありそうです。が、優秀な研究者がなぜ彼女を呼び出すに至ったか、このカップルのことを今更知りたいとと思ったのだということとか、あるいは単なる苦し紛れに思いついたことなのかということが今ひとつ腑に落ちない感じは残ります。

3回の実験の最初はほぼ物語とは関係ないのだけれど、馬渡理子が演じる猫ってのがまた実に秀逸に目が離せなくて、これをぼーっと観ていたい気もするのだけれど、まあ、このコンパクトな物語のなかでそれをすべきなのかどうかは痛し痒しなところ。

とはいえ、ミニマルな雰囲気で、月イチペースで、おそらくは雰囲気もキャパもずいぶん異なる公演を重ねていくことで、芝居の雰囲気がどんどん変わっていくという予感を感じさせます。

人間に興味があるとは思えない優秀な女と過去に囚われたままにこの歳になってしまった女の再会と、それにまつわる過去の出来事との対峙という物語の枠組み。優秀な研究者を演じた小澤鮎美は、人間に興味がないカウンセラーという無茶ぶりな役を凛としてしっかり。呼び出される先輩を演じた馬渡理子、地味で少しおっとりな雰囲気の可愛らしさの中に見える陰と力強さが圧巻に面白い。高校の時の先輩を演じた加藤吉はまっすぐさが前面に。新人だという市川しをりは、コミカルにかき回す雰囲気ですがなかなかどうして、堂々たるもの。

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2012.10.27 14:30 [CoRich] 6月末から7月にかけての松本 [続きを読む]

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