速報→「機甲街」シアターTRIBE
2012.4.28 14:00 [CoRich]
地元で10年近く活動してきたというザ?猿ロマン(未見)解散後のリニューアル旗揚げ。85分。ピカデリーホール。
戦時下、その町にある「扉」に近づいたものは、まばゆい光に包まれて即死してしまう。その扉に隠された秘密を手に入れれば不利な戦局を挽回できると考えた司令官は、扉を開くための暗号を知るという少女を探しとらえるよう、少佐に命じる。同じ頃、農村からの兵士3人組が口の利けないなぞめいた少女に出会う。
元映画館という場所ゆえにでどうしても広すぎになりがちな舞台。張り出して奥行きを作り、戦場や廃墟、広くなった空という感じの「空間」を作り出します。知り尽くし使いこなしている感じですてきです。
人間が制御できないほどの威力を持つ何か、そこに魅せられた科学者、軍人。その鍵を握る少女、守る町の人々、その少女に出会ってしまった貧しい村の生まれの兵士たちの物語。笑いをとる場面はほとんどなくて、ハードめなSFアニメーションという風な設定と物語。 アタシの世代だと「ボトムズ」な雰囲気とでもいえばいいかしらん。もっとも、人類が制御できないほどの大きな力、というとかつてはアニメーション(この点では「イデオン」?)やの専売特許だったけれど、踏み込めない場所、という修飾をつけ、311から一年を経たアタシたちにとってはすぐそこにある現実。もっとも、そこからアタシたちの現実に物語をつないでいくよりは、SFの物語収まりがよくてこの世界観を表現することに重きを置いたという感じがします。
兵士たちが少女を守ろうと思ったり、裏切ろうと思ったりという揺れは物語の奥行きにつながるものの、正直に云うとその発露が見ている側には唐突にすぎる感はあって、その葛藤がいまひとつ見えづらかったり、あるいは実は親子とか実は元夫婦という設定、マッドサイエンティストめいた科学者、町を守る人々というさまざまが盛り込まれているけれど、そういう設定が多い割に生かしきれない感はもったいない気がします。
「どくき」なるもの(毒気、らしい)など、いくつか音を聞いただけでは理解しがたい言葉がけっこうあるのももったいない。物語のハードさゆえという気はするものの、特に「どくき」はその正体は結局のところあかされませんから、ならばなおさらそれがその中にある植物(だとアタシは思った。毒木、ね)なのか、そこから拡散してしまう気体なのか、あるいはまがまがしい生物(「毒奇」と書いてあるtweetを見た気がします)なのかなんてことを思っちゃったり。まあ、そういう固有名詞なのだと思うべきなのでしょうが。司令官を演じたモノ英雄の冷徹さに説得力、農民傭兵のひとりを演じた草間将樹のとぼけた感じが物語の主軸になっていくのは実に楽しい。少佐を演じた吉川直美の苦悩も併せ持つ冷徹さは序盤から印象的、副官を演じた伊藤利幸のある種の朴訥した感じ、この二人で演じる序盤がアタシは結構好きだったりします。
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