速報→「THE BEE Japanese Version」NODA MAP
2012.5.3 19:00 [CoRich]
2007年日本初演の4人芝居 (1, 2) のキャストを一部入れ替えての再演。東京では20日まで水天宮ピット。このあと大阪、北九州、松本、静岡。80分。筒井康隆らしい、日常からちょっと踏み出してしまった狂気の非日常とその際限ないエスカレート。物語の救いのなさは、やっぱりデート向きじゃない、というのは初演と同じ。 書かれた時代というのを良くも悪くも感じさせるというのも、初演のときの感想と変わりません。それは古くなったりつまらなくなった、というのではなくて、こんなにも現代の話なのに、書かれた時代背景というのは感じるし、それを敢えて今風のアレンジを加えないと云うことの意味は何だろう、ということをぐるぐると考えてしまうのです。
あくまで男視点、狂気が日常のルーチンになっていくこと、そこに女が従っていくということの。あるいは今の作家だっらやっぱり子供の指を折ったり切断したりということを書いたり、それをあんな日常の小道具一つで淡々とは描けないのではないかと思うのです。というよりは、今の作家がこれを書いたら、どうにもならないズレを感じて、アタシにはとても受け入れられないんじゃないかと思うのです。その距離感が残ることがこの描き方の意味かなと思ったりするのです。
席がよかったこともあって、宮沢りえの至近。とりたてて好きという役者ではないのだけれど、中盤で横たわる肢体から開いた胸元に至るまで、ずっと視界の隅にいれて追いかけてしまう感じ。本当に生々しく艶めかしく、「いきているもの」を感じさせます。物語の怖さは怖さで感じつつも、なんか気持ちの上では7割ぐらい彼女をずっとずっと観てたというのはオヤジだからですかそうですか。
もう一つ強い印象を残したのは、指を切り落とし、送りつけ、送りつけられてくるという日常のルーチンでの野田秀樹。表情と云うよりは、上まぶたが半分閉じかかったような、あるいは三白眼のような温度の低い眼球の怖さったらないのです。そのうち夢に出てきてうなされそうなほど、強烈な印象です。
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