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2012.05.15

速報→「恋に生きる人」月刊『根本宗子』

2012.5.13 19:00 [CoRich]

本公演を拝見するのは実は初めてです。16日までゴールデン街劇場。80分は気楽に笑えて、しかも面倒くささも満載な会話が楽しいラブコメ。たった5人、(客が入らないといわれる)日曜の夜だというのにきっちり満員。大したものです。

バイト先の調子のいい先輩に口説かれてつき合うことにした女。なんか腑に落ちないことがたくさんあるけれど、それでも彼のことがものすごく好きになっていて。喧嘩別れした女友達とも仲直りすることにしたけれど、彼が帰ってきたら急に帰ってしまう。部屋にはなぜかほかに住んでる人がいて。

なんかもの凄く狭い世界の人々の会話。それを散らすようにさまざまなスパイスをまぶしつつ、情報を小出しにして、最初は漠然としていたパズルが組み上がっていくような楽しさがあります。バイト先の先輩、つきあう女、謎の男、喧嘩別れした親友、怪しい女が徐々に登場し、そことそこが繋がるか、ということが次々と出てきたりするのは確かによくできすぎているといえばそうなんだけど、それも突き詰めていったのはたいしたもの。

物語は物語として、登場する人物たちだって、デフォルメがすごくて、キャラがものすごくたっているのが、気楽に観られて楽しい感じ。恋愛に関するさまざま、完全に依存症の人だったり、ふらふらと誘われればつきあっちゃう人だったり、浮気癖、元カレとか元カノとか、女友達の友情ってものの儚さと勘違いと、ごった煮にで、ものすごく濃ゆいのです。

この魅力的(知り合いにはなりたくない感もあるけど)それぞれの人物に対して非対称に情報があるということを効果的に使います。写真を見ている女が部屋に居た初対面の女に出会い頭の表情、親友なのに隠していることがあるなんてのがそこかしこに効果的です。

気にしないというかオープンすぎる男を演じた西山宏幸、いいひとだから人が寄ってくるのに彼女に対してそうでもなかったりというのがリアルな感じ(いや、そんな嬉しいシチュエーションなんて経験ありませんが(泣))若い男を演じた宮下雄也、かき回すのをしっかりと。

恋人になった女を演じた大竹沙絵子が本当に可愛らしいのはトープレの公演イベント(をUSTREAMで観たのですが)以来な感じ。ビックリするぐらいに、表情も声もダイナミックレンジが幅広くて楽しい。色っぽい女を演じた梨木智香は見た目にきっちり説得力、捻挫した女を演じた新谷真弓は、この広さの劇場に出る役者としては破格に格が違います。色っぽさ、ふてぶてしさ、可愛らしさのふれ幅も圧倒的です。この三人の女優が会話する三つ目のシーン、パワーゲームというかシーソーゲームな感じで楽しい。全体の枠組みがわかってからという構成も巧いのです。

後半のブートキャンプっぽいあたりはもはやコメディというかコントという体裁もまた楽しくて、しかもなんか恋に生きている人々という説得力。

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