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2012.05.23

速報→「ローザ」時間堂

2012.5.19 15:00 [CoRich]

時間堂の新作はローザ・ルクセンブルクを巡る4人芝居。90分。29日まで王子スタジオ1。7月下旬から静岡、仙台、福岡、大阪、津でのツアー公演を予定。

墓参りに訪れた人々、眠るのはドイツ革命の指導者、ローザ・ルクセンブルクだった。激動の時代、敵対したり盟友だったりという人々が墓前でローザの姿、あのときの自分との関係を思い起こす。

当日パンフの折り込みで、わりとライトな語り口で読みやすいローザを巡る言葉、時代背景を解説が一枚。お恥ずかしながら、ローザ・ルクセンブルクという人物が実在したことも、その時代背景もほとんど知らなかった(世界史と世界地理、ついでに云うと日本の地理も実は苦手です)アタシです。共産主義の革命家をめぐる人物、本人を登場させず、四人がかわるがわるローザ役を演じ、他の人との場面を作り出すことで人物が浮かび上がるのです。現実を背景にとりながらも、劇中では役者でない人々が芝居を演じるという枠組みは違和感が残ります。(ローザの急進的な考え方付いていけない、と思う人だったり、教え子でありながら弾圧する側に回ることになる人だったり。革命と理想と現実、あるいは恋人を巡るさまざまが演じられます。)

ヒザイミズキは長いこと拝見してますが、実力がきっちり現出。直江里美は表情の可愛らしさが印象的。窪田優は現段階では未知数な気がしますが、(こいけけいこ、という前例がありますから)伸び伸びとした雰囲気に期待。黒一点の菅野貴夫が座組にいることで、舞台が締まる印象があります。

正直に云うと、現代の日本でこの題材を、こういう形式で上演することの意味はいまひとつ腑に落ちない感はあります。ドイツ革命という時代は背景なのだ、と考え、魅力的なローザという人物を「間接的」に浮かび上がらせるということが表現として、作演が考える上演の目的なのだ、と考えるとこういうスタイルを取ることの意図はなんとなく理解できる気もします。

小劇場の芝居を全国ツアーに持って行くために、ほぼ素舞台で上演できる4人芝居という作り方はちょっと面白い気がします。たぶんクルマでの移動でしょうから、運転できる人が何人居るかということはちょっと気になりますが、なにとぞご無事で。

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