速報→「夢!サイケデリック!!」範宙遊泳
2012.4.29 18:00 [CoRich]
女は夢の中で少女になっていた。冷蔵庫と掃除機とウォシュレットが動きだし、卓球の球が話しかけてくる。町をブタムシが襲いかかる。
どんどん若返る女。ついには消滅してしまうと思っている、といううっすらとした骨組み。女の男友達たちの会話は時に現実だったり、時に冷蔵庫などになったり。正直に云うと人の夢の取り留めのない話をあれこれ取り混ぜて、しかも視点が女からだったり登場人物の男友達だったりと落ち着かず、あまり見やすい感じではありません。アタシにとってはもう少し物語がほしい、という感じがします。
終盤になってみえてくるのは、男の横で寝ている女、おそらくは明け方、その女が見た夢と、その家にある冷蔵庫や便器といった、日々接しているものという形の現実のあいだでまどろむひととき、という感じ。自分がここにいる起点としての精子と卵子(これをピンポン球で表現というのは巧い)にたどり着き、それがこの男との自分のこと、という具合に物語が展開することをに勝手に期待するとそれはあっさりとうっちゃられてしまう訳ですが。彼氏らしい男は登場するけれど、女は一人で考えてぐちゃぐちゃになっている感じ。隣に寝ている男とのどうにもならない距離感があるように感じるのはこの時間だけのことなのか、それとも二人はこんな感じなのか、あるいは女は病んでしまったのか、なんてことを考え巡らせるのも楽しいといえば楽しいのだけれど、片鱗がみえづらくて、自分の中に落ち着かせることがしずらいのはもったいないなと思うのです。
大量のピンポン球を使うびっくり感の楽しさ、さまざまに飛び回り、あるいは扮装したりという玩具箱のような華やかさは楽しい。誰がどの役か当日パンフではわからないけれど、アタシが知っている、熊川ふみが変幻自在、時に腹話術だったり、時に少女だったりと鮮やかで楽しい。福原冠は先生だったり、ダジャレだったりという気を抜いた余裕のようなものが楽しい。
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