速報→「日曜日よりの使者」石原正一ショー(NMSグレイティストヒッツ)
2012.4.1 16:00 [CoRich]
東京公演での最終回は、前説からカーテンコールに至るまで彼らの想いがぎゅっと詰まった感のある60分。1日までアゴラ劇場。
コーヒーを淹れる老人。入ってきたもう一人の老人は記憶が曖昧でそれを思い出させるために本人が云いだしたのだ。それは徐々に記憶を呼び起こす。看板娘、海岸近くのファーストフードと襲いかかるカモメのこと、図書館で出会った友達、マドンナのこと。コーヒーを淹れた老人、実はその男のことを知っている。
16日間の東京公演、最終日の最後の公演らしく、客席に渡したカモメの折り紙の説明の前説からして想いがあふれる感じ。それはチラシの「思えば遠くに来たもんだ」という言葉は終演後の挨拶にこみ上げる想いそのままです。かつてはあった小劇場演劇の拠点劇場、扇町ミュージアムスクエア(OMS)と同じネーミング、中崎町ミュージアムスクエア(NMS)をカフェで絵続けていこうという心意気がいいじゃありませんか。
老いた男と、その思いでの中に居るはずの友達の話。どこまでも平和だった日々に思いを馳せるという過去に向かっての物語を若い女性が書いたというのは意外な感じがします。むしろ彼らに近いはずのアタシは、じっさいのところ芝居を見ている最中はぴんと来ない感じなのはなぜなのだろう。 とはいえ、横を見れば(他人だけど)泣いている(たぶんリピーター)女性も居たりします。
思い出してみると、たとえばキャラメルボックスのハーフタイムシアター「銀河旋律」や「ブリザードミュージック」のような香りがする物語。もちろん物語はまったく違うのだけれど、学校という場所の話だったり、老人の話ということかもしれません。軽やかな芝居の中に浮き上がる滋味とでもいいましょうか、その味わいが確かなのです。
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