速報→「神様それではひどいなり」石原正一ショー(NMSグレイティストヒッツ)
2012.4.1 14:00 [CoRich]
石原正一が大阪・中崎町のカフェを舞台に続ける二人芝居企画を10本まとめて東京再演のうちの一本。1日までアゴラ劇場。
5年間一緒に住んでいた女が居なくなったことを告白する役者らしい男。美しい女性に見とれる男、痴漢と間違われたが、女は初めて会ったのにもかかわらず、引っ越しの手伝いに来てほしいと頼む。女は頻繁に引っ越しを繰り返しそのたびに男は手伝う日々。男は結婚を望むが女は要領を得ない。消えた女の足取りを追いかけるうち、一人の女性が消えたことがわかる。
美しい女性と美しくはないその友人の女性の間での、美人というだけでもてはやされる美醜の不公平さに端を発し、殺人、整形して逃走という事件の骨組み。芝居で女装した男の姿がその友人にとても似ている、というワンポイントを要にしつつも、男の一方的な愛情の気持ちに対比して女の側の「男が抱いているのは私ではない、抱いているのは(整形した)私の顔と形なのだ」という美醜にまつわる女の想いを濃密な物語としてコンパクトに仕上げます。二人芝居ゆえの制約をうまく逆手にとることで、女の側の理屈と男の側の理屈の溝とゆえに起こる悲劇とその後が鮮やかなのです。
街で出会った誰かを可愛らしいと思う気持ち、まさかその彼女が自分のことを可愛いといってくれたり、(引っ越しの手伝いとはいえ)家に行っていい、って云ってくれたりということがおこるなんて、という奇跡。まさに彼女は「神様」。チラシにある「中学生のような」というのは少なくとも男の側の論理としては腑に落ちるのです。ああ、こういう奇跡って起きないものかと思っちゃうアタシ、それは白馬に乗った王子様を待つってことだよと、いい加減に気づけと自省。
女性を演じるサリngROCKは実に可愛らしく美しく。目に力があって離せない感じはまさに、はまるよう。
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