速報→「青色文庫(B)」青☆組
2012.4.12 19:30 [CoRich]
父母もなくなりドラえもんとも別れて一人で暮らすのび太の家に久し振りにあのころの友達が集まる。ジャイアンのお別れパーティを開こうということなのだが「さよならドラえもん」
ある日タイコがイクラちゃんを磯野家に預けに来る。夫が書いたラブレターを見つけたので二人で話をするためなのだという。サザエさんちにはそういうことがなくていいわ、と云われるが「磯野家の夜」
前任者と替わって訪れた生命保険のセールスの男。美人で妊娠している妻に商品を勧める。初老の夫が帰ってくる、妻と名乗る女がさらに居て。「恋女房」(1, 2)
ものを盗った女が捕まり交番で、これが何度目かと訊かれる。若い有能な男が恥ずかしくないように、海水着に手を出しただけなのだ。「燈籠」(原作・太宰治)
ごく短い一本の「〜ドラえもん」が書かれたのは高校を卒業した後の(ということは「転校生」初演(再演)の後だ)、役者志望だったときに書いたものだといいます。うっちゃりというか、なんだろう、書くことに興味がないという荒削りすぎる雰囲気こそが一番すごいのです。戦争が始まっていて、徴兵される人がいて、その先の希望が消えていく雰囲気は現在では書きづらいけれど、この無邪気さ、ちょっと好き、懐かしく感じるのです。
なんだろう、スネ夫な林竜三、ドラミな井上みなみ、出木杉な荒井志郎は語りどころか観ていてもその雰囲気がちょっとすごい。
「磯野家〜」も同じ歳。これもかなりうっちゃり感がありますが、こちらは平和すぎる日常ゆえのさざ波が心の奥に広がっていく感じ。タマを演じる木下祐子が実に可愛らしい。人を追っていく感じ、鳴く感じもちょっとすごい。
「恋女房」は不条理すぎると感じる序盤から、それは(法律として)成立しているという舞台設定の強み。ここでも大西玲子の圧巻な触れ幅。妻のうちの一人を演じた木下祐子、この部屋を取り仕切るような雰囲気がキリっとして、カッコいいのです。
「燈籠」は原作は女がとり散らかした気持ちなのでしょう。その原作の外側にもう一つの物語を描こうという貪欲さが実にいいのです。
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