速報→「石川のことはよく知らない(B)」東京ネジ
2012.4.6 21:00 [CoRich]
2006年初演、2007年再演の三人芝居、三演め。アタシが見たのはBバージョンの21:30。この時間なら会社を少し早めに出れば松本からでも間に合うことがわかったアタシには嬉しい。50分、8日まで。
骨壺を抱えて泣く男、なぐさめる女、後からくる久しぶりにあう女、という三人芝居、前二回に比べると、外の見え具合を借景にする、というわけにはいかないロケーション。ですが、物語の持つ確かな力はもちろんそのままです。
前二回、わかりあえる・あえないの話だと書いていたアタシですが、今回は「相手のことを知りたいと思う気持ち」「自分のことを話そうと思うわずかな勇気」「知らないことに嫉妬する気持ち」ということをより強く感じます。
たとえば男と久しぶりの女の弾む会話、ということで疎外される気持ち、久しぶりの方を大切にしちゃうこと、それでさらに疎外される気持ち。それが更に結婚しているのにこの人のこと、何にも知らないなと思う気持ち。本当は話したいことがあるのに、話せない気持ち。そのそれぞれの想いがテーブルの周りで寄り添い、あるいはこそこそ話をしたり、何かを察したりということの濃密さがとてもいい感じなのです。 役者を変えて2バージョンの上演。アタシの観たBは、妻を演じた佐々木富貴子は、やさしく包み込むように、「一緒に暮らしている」女をきちんと。も元の妻を演じた両角葉を舞台で拝見するのはずいぶん久しぶりな気がします。かつては何かがあったかもしれないけれど、それに拘泥することなく、あっさりとしているという説得力。男から見ると女友達ち、というくくりのつもりだけれど、そのじゃけすけさもふくめて、「好き」なんだよね、ということがしっかりとしています。男を演じた安田有吾は 序盤の泣き声に一瞬不安がよぎるものの、ナイーブさ空間を満たす中盤からは不安なく。
ネタバレかも
新婚の夫婦、あとからやってくる女は元妻。あるいはここに居ないもうひとり元妻の話にうるっとくるのです。
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