速報→「再/生」東京デスロック
2012.3.16 19:30 [CoRich]
実は去年観ているのですが、このバージョンであったことを、すっかり失念しておりました。(1)まいど情けないことです。90分。終演後にトークショーがつきます。YouTubeには10分に編集されたランスルーが載っています。
おおきく3回のリピートで構成されていた2006年版に比べて、 こちらは、細かな繰り返しのブロックを積み重ねていきます。役者たちはてんでバラバラに踊り、動きます。突然倒れたりするのはもとの「再生」と同じだけれど、互いが同期するようにみえることも、死を感じさせる要素は注意深く排除されています。
トークショーによれば、タイトルにスラッシュを入れたのは、個人個人が分断し、まじりあわないということと、(震災を意識して)時間的にもう元に戻れないという分断、ということの意味のようです。終幕で壁に映し出されたスラッシュは、それを強く意識させます。
最初と最後だけは、日常の、たとえば掃除や料理といった感じの動きですが、それ以外は、果たして何の意図の動きをしているのかすらもわかりません。これもトークショーによれば、役者それぞれの動きについては役者に任せ、位置が変わることによる衝突を回避したり、全体の構成をつくったりはしているようですが、基本的には何かを語たろう、というわけではないようです。
中盤で挟まれる焼き肉屋での会話。青森から関東に戻ってきた役者たちが、なべげんの人々について過去形で語ります。未来の時点を描いているわけで、未来に向かって連綿と続く時間は、将来への希望を感じさせます。このシーンは結構好きです。横浜版では単なる焼き肉屋での会話だったものが、ツアーの中で、今観客が居る時点より未来を感じさせるような台詞に変わったのだそうです。
正直に云えば、アタシ個人は言葉による物語を排している、こういう芝居が苦手だという意識は抜けません。でも、廃止直前の寝台特急「日本海」での旅に釣られて、旅先で観て、新鮮な気持ちの観客との質疑の場に居るということは、劇場に通いすぎるアタシですら非日常で、実に刺激的な体験でした。おもしろかった。もっとも、見終わっても横浜でこれ観たって思い出せなかった(笑)。それぐらい、観客の側の状況で変わる、というのはちょっとこじつけですが。
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