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2012.03.19

速報→「小田急線で会わせに行きます」ジェットラグ

2012.3.18 17:00 [CoRich]

コンパクトな劇場での音楽あり、しんみりありの4人芝居、80分。19日までゴールデン街劇場。

バンドのベースと同居している女。何年も戻っていない実家からの電話に出ると、仲の悪い姉からで、母親が死んだという。小田急線で新宿から1時間ぐらいの実家に、彼を連れて戻る。姉は相変わらず機嫌が悪く喧嘩寸前だが、そこに母親に介護ボランティアで付き添っていた大学生が焼香しにやってくる。うまくいかない彼女のについて話を聞いたりしたその夜、酒の入った大学生は姉の布団へ。姉はまだ処女なのだ。

仲の悪い姉と妹。モテる妹と彼氏の話、ずっとそういうこととは無縁だった姉の物語として進みます。物語の語り口はちょっと不思議な感じで、台詞を語るように何カ所かに歌がはいっていたりします。あるいは吊革を釣ってみたり、ドリフよろしく寝ている姿を上から見たように布団をたててみたり、コントっぽい感じも満載な仕立て。

奥手だった姉が舞い上がる気持ちの楽しさ、可愛らしさが実にいいのです。終盤の泣き崩れ、恋愛に臆病になる姿は気持ちに重なります。 つきあった人々が今の自分を作っているのが「深いい話」なのかということにピンとこないという姉の造型もちょっと巧いなぁと思います。 酔った勢いで、という男の造型はあんまりといえばあんまりですが、これを声高に非難できるほど自分が清廉潔白かというと、まあそれは怪しいわけですが。

姉を演じた金沢涼恵はメガネの真面目さ、奥手さ、舞い上がる感じとさまざまに変化が楽しい。ありそうでなさそうなカーディガンにスカートなんて格好もなかなか珍しく。妹を演じた富田麻紗子は跳ねっ返りだけれど、やはり最後の肉親となればの人情っぽさの説得力。恋人を演じた吉田能はとことんいい男すぎて少々物足りない気もするけれど、親しみやすくかっこいい。佐々木光弘演じた大学生はあんまりな役の造型だけれどヒールとしてきっちり。

それにしても、姉の感情はあたしの気持ちを揺らします。それはここまでの人生の経験の浅さのようなものの後悔だったり、些細なことで舞い上がる気持ちだったり、それを失ったときにもう一生一人でいいんだとあきらめちゃう気持ちだったり、誰か人が隣で寝てくれるということがどれだけ寂しさが埋められるのかということだったり。その断片のウエットな描き方は女性の作家らしくて結構好きなのです。もっとも、それが実感として感じられなくなってしまうほどになりつつあるアタシもどうなんだと思いますが(泣)。

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