速報→「ガラスの動物園」シスカンパニー
2012.3.11 13:30 [CoRich]
2012.3.11 13:30
長塚圭史の演出は思ったよりも観やすい180分。4月3日までシアターコクーン。
極度に内気で、年頃だというのに男の子を連れてくることもないし、外で働くこともできない娘を心配する母親。父親は家を出たきり音信がない。母親は倉庫で働いて一家の家計を支える息子に、会社の男友達をつれてくるように頼む。ある日、その初めての来客を迎えることになる。
「ガラスの動物園」自体は他の上演やリーディングで観たことがあります。静かで淡々とした物語で、それを長塚圭史で3時間と聞いて、ちょっと手強いだろうなと思って多少の覚悟をもって臨んだのですが、これが存外に観やすかったのです。
理由として一番強く感じるのは、母親の造型です。南部生まれの「ザ・母親」という感じの押しつけがましさをベースに。 更に心底娘のことを思う気持ちは、そのために必要なことをめまぐるしく考え、行動して。母親ってものにアタシが感じる感じがふんだんにもりこまれていて、ああ、そういうもんだよねぇと感じることができるのが何より観やすさに繋がっている気がしますし、ところどころコミカルなのもプラスに働いています。
演出上の特徴はダンサーの存在でしょうか。背景にとけ込むような衣装(そういう意味で黒子だ)で、時に美術をセットし、時にたたずみ、時に舞い上がる空気のように舞うのです。上演時間の長さの一因ではあるので痛し痒しなところはあるのだけれど、広い舞台をちゃんと埋めるということには成功してると思うのです。
母親を演じた立石涼子はその母親像きっちりと演じていて説得力。娘を演じた深津絵里は、繊細さに目を奪われるよう。後半でみせるうっとりとした表情がとても印象的。息子を演じた瑛太は抑えた芝居に印象を残します。後半登場する来客の男を演じた鈴木浩介は劇中語られるとおり観客の視座に近い存在で、前向きに生きるアメリカ人っぽさに説得力があります。
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