速報→「再/生」多田淳之介+渡辺源四郎商店
2012.3.17 15:00 [CoRich]
各地で現地の団体とコラボしているのと同様に、2006年版の「再生」をベースとしたもの。青森だけで上演の「渡辺源四郎商店(なべげん)バージョン」はアナウンスは80分ですが実際には75分。18日までアトリエ・グリーンパーク。
こちらは2006年版の「再生」(あたしは未見ですが、YouTubeに動画があります)がベース。卒業したばかりの高校生を含む役者9名、うち8名が女優という布陣。真ん中に丸いちゃぶ台。酒、鍋、座布団。
YouTubeの印象ではもっと際限なく踊り続ける乱痴気騒ぎという感じなのですが、今作では、それよりはもっと隙間の時間があってのんびりしていて乱痴気というわけではなく、有り余るパワーの発散という感じがします。そのせいかどうか、初演では血糊を吐いたりして強く死を意識させていたようですが、今作ではそれをせず、薬瓶を回して錠剤を飲むことは死を強く予兆させます。あえていえば、終幕一人残った女(の子)が微笑んで倒れ込むというのもそういう感じがありますが、むしろ死んだか死なないかわからない終わり方に「緩和」したのは、311を経て変わったことのようです。
なんせ高校生もまじっていたりして、若さ溌剌という感じがめいっぱい。フィジカル寄りにみてしまうからか、あるいは二十歳過ぎの(で、アタシには見慣れてるから見分けられる)なべげんの俳優と入り乱れてみえるからどうか、表情も体型も大人と子供の境界領域なんだよなぁと思いながら、観ているのは、おそらく表現したいものとはまったく違うところをみてるのだろうけど。
物語が語られない、という点において、ちゃんと面白いとか感動できるという感じにはやはりアタシはまだ至りません。が、これを自分の何か別のことに強く引きつけたり、あるいはそこで起きている事象に気持ちが揺さぶられる人が居る、ということはよくわかります。ただ、この「再生」という芝居が、一種アタシの中で様式化して、これから起こることがみんなわかった上で、それをなぞって楽しむことはできそうです。でも、同じような作られ方の芝居をいつでも楽しめるリテラシーが備わったか、というと甚だ怪しいところなのですが。
黒一点たる工藤良平は、場を緩める感じをしっかり。フォーマットがわかっているからか、その緩める感じが彼(の役)のナーバスさを際だたせる感じがします。柿崎彩香はスマートさ、下手奥で巫女にみえるような瞬間が面白い。若手だと思っていた三上晴佳は、この座組ではしっかり大人の女性、という感じがします。
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