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2012.03.12

速報→「素晴らしい一日」自転車キンクリーツカンパニー

2012.3.10 18:00 [CoRich]

50ページ弱の短編小説を原作にした軽快な語り口が実に気楽で楽しい100分。13日まで駅前劇場。

勤務先が倒産し恋人に逃げられ、貯金も心細くなった女。数年前に男友達に貸した20万円があるのを思いだし、やっとの思いでパチンコ屋にいる男を捕まえて返済を迫る。男はまったく金がなかったが、昔とまったくおなじように軽口を叩きながら、貸してくれそうな人に連絡を取りはじめる。他から借りて女に返済するという。果たして、貸してくれそうな人のもとを訪ねてまわる。

絵に描いたような調子のいい男、次々と女性たちを訪ねて借金を申し込み、なんだかんだいいながら、みんな貸してれる、という物語。こんな男に、しかも女性連れで彼女に返済するためだという男になぜ金を貸そうというのか、それからその女性たちそれぞれの金の持ちよう、生活というか背景を織り交ぜての。結局それは二人の珍道中、ロードムービーのような軽快でコミカルな語り口が楽しい。男の調子良さ、二十万を貸した女の生真面目さ、それぞれの女たちのさまざまな「女性の生き方」のようなものがテンポよく、実に楽しいのです。

会場で売られている原作本も購入(定価より少しディスカウントされているのが嬉しい)。原作は50ページに満たない短編で、しかも金を借りにいく先がいくつか変えられています。原作にはない弁当屋や婦人警官、女優といった人々がある反面、舞台では原作にある親戚がなくなり、女子大生やシングルマザーの造型はずいぶん異なります。原作では、もっと意地悪な人物観察というか、貸す側の優越感とか、まだ若くてちやほやされるお女といったものに対する作家の手厳しい視線が働きますが、舞台では、この男と女性たちの関係と、女の人生といったものを中心にすえて構成しているようです。

軽口を叩き、実際にとても軽いのだけれど、女たちに真っ直ぐに向き合い、時々鋭い男を演じた内浦純一の軽さと真摯さのバランスが素敵。こんな風なある種の軽さと真剣さの何分の一かでもあれば、アタシの人生ずいぶん変わるだろうなという意味でもちょっとなんかわくわくする感じ。 金を貸していた女を演じた伊勢佳世も、生真面目さで振り回される感じがなにか可愛らしく、しかし成長を見せるよう。女優を演じた歌川椎子の年齢を重ねたなりの悲哀と強く居きる力。シングルマザーの心の強さと、婦警の不器用さを二役で演じた浅野千鶴も印象に残ります。

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