速報→「トリツカレ男」キャラメルボックス
2012.2.25 14:00 [CoRich]
2007年初演作を、あらたな客演キャストを迎えて。130分。赤坂ACTシアターで29日まで。そのあと名古屋、大阪。
イタリアの小さな街。「トリツカレ男」と呼ばれる男。さまざまなことに「トリツカレ」ては飽きるまで寝食を忘れて没頭してしまう。三段跳びに夢中になっていた彼の前に現れたのは風船売りの若い女だった。人目で惚れてしまった男は、その笑顔の奥にある「くすみ」が気になってしょうがない。惚れているのだが、くすみのない笑顔をみたいと、彼女が困っていることを一つ一つ解決していくが、自分が惚れているということをどうしても言えないままだった。
エンタテインメントファンタジーを謳う彼らのなかでも、とりわけファンタジー色が強い一本。誰もが恋を口にするイタリア、という舞台もいわゆる赤毛モノ、あるいはフラッグがはためき仮面で踊るという祝祭感あふれシーンも珍しい気がします。
その笑顔がみたいという一心で突っ走る主人公の姿はまさに「トリツカレ」ているのだけれど、行き過ぎた想いの暴走や、真実を知っているのにもかかわらず男の暴走した「(あくまでも善意の)なりすまし」を信じてしまう女。これもある種熱に浮かされたような「トリツカレ」の結果かもしれないけれども正直に言うと、盛り上がる終盤のシーンだけれども、ここが腑に落ちない感じはあって、物語に入り込めない感じが残ります。強い喪失感に苛まれたことがないアタシが未熟なのかとも思ったり。
アタシは物語そのものよりも、この世界を作り出す少々マンガ的に誇張された、実は物語の中心ではない愛すべきキャラクタに惹かれてなりません。オウムを演じた渡邊安理はちょっとツンとした感じで、可愛らしく印象的。主人公の姉を演じた坂口理恵もデフォルメされた強さと想いに溢れる造型で楽しい。阿部丈二、筒井俊作、小多田直樹の三人が演じたマフィア風情や、子供たちのシーンは羽目を外しすぎの感あれど、でも実はけっこう楽しくてこの祝祭感には実によく合っています。
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