速報→「半島にて」オックスフォードパイレーツ
2012.2.4 19:00 [CoRich]
畑雅之、土谷朋子、小川拓哉の立ち上げたユニット、旗揚げ。力のある役者をそろえたゆえの静かに流れる会話、という印象の120分。5日まで明石スタジオ。
半島。高校教師と女子生徒、バス運転手と幼なじみの男、遠距離恋愛の女と同僚の男、ペンションのオーナーとその甥と、古い知り合いの客と住み込みの手伝いの女と変わり者の陶芸家。
久しぶりに会った幼なじみに女は結婚すると告げ、がんばれと声をかけた遠距離恋愛の女は有休をとって旅立つ。住み込みの女は別の家へ。
基本的には男女二人もしくは三人での会話をそれぞれの場所、半島という限られた場所の中で起きていることを細やかに描きます。
タイトルになっている「半島をまわる」ということはバスの運転手、訪ねてきた幼なじみの会話で描かれます。ゆるい田舎、久しぶりの顔、会話、ずっとずっと好きだった二人なのに、そういうことにならず、ずっときてしまって、今だってきっと好きなのに、でも彼女は帰ってしまう切なさ。演じた伊藤毅の軽快さ、あるいは原田優理子の可愛らしさや真っ直ぐさが実にいい案配で、この二人の会話の楽しさと切なさにやられてしまうのです。
あるいは町内の放送で毎日違う名前の女性と待ち合わせを知らせるという陶芸家の一癖もふた癖も。演じた平吹敦史(a.k.a バビィ)は怪しさと平穏さを両立。その女性、土谷朋子とのキスシーンの色っぽいこと。
決して若くはない教師二人のぎこちなさ、どうしてこれが面白いかきちんと説明できないけれど、中学生のようなぎこちなさをいい大人がきっちり演じるおかしさとでもいいましょうか。どちらかというとアタシの年齢にもっとも近い(それでも十分若い)、なんか冴えない男女の会話がこんなにも新鮮に響くというのはたいしたものだと思うのです。用松亮が客席を圧倒的に沸かせるちから、それを受ける上松頼子もその雰囲気をきっちりと作ります。
カップルの点描を描くというのは好きな感じだし、切なさ、きゅんきゅんする台詞もいくつもあります。が、正直に言うと、ゆるやかにつながっているかどうかよくわからない、しかも静かな会話の断片で120分は少し長い気もします。物語の芯というか外枠があるとずいぶん観やすくなりそうです。
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