速報→「みなぎる血潮はらっせらー(福岡)」渡辺源四郎商店
2012.2.18 19:00 [CoRich]
2009年初演のコンパクトな65分で全国上演を目指す「らっせらープロジェクト」、初めての九州上演。19日まで大野城まどかぴあ大ホール(舞台上舞台)。
青森物産センター、アスパムの壁をよじ登ろうとして警察に確保された男は、赤づくしの戦隊モノヒーローのいでたちだった。何者かを名乗らない。本人は県立戦隊アオモレンジャーのリーダー、リンゴレッドと名乗る。
物語の骨子はそのままの印象だけれど、アタシの記憶では初演ではラジオドラマの制作者という感じではなく、そのままヒーローだった気がするんだけどどうだろう。九州上演に併せてご当地九州からも青森に攻めてきているシーンを追加。ヒーローというよりはそのラジオドラマを作っていた、仕事にかまけて家族を顧みなかった男の話。家を探す妻(住所がアトリエグリーンパークで、周囲の様子を描いていたりするのが密かに楽しい)、運動会にこない父親を恨みがましく思う娘となだめる母親、姉妹二人で父の日の絵を書いている風景など、「父親のいない家族たち」の風景と、ラジオドラマの戦闘シーンを交互に見せていくことで、長い時間野中で起きていたこと、男の仕事の結果と家族との乖離が蓄積していくことがテンポよく描かれます。
終演後に設定されたトークショーによれば、もともとはプロレスラーだった男の話を構想していたのだけれど、ミッキーロークの「レスラー」に先をこされた(2009年だ)と思い、作家の財産でもある青もレンジャーを軸にしたのだといいます。ヒーローそのままじゃなくて、そういうヒーローの番組を作る男の話、という物語の構成は少々複雑な感もありますが、子供や妻とふれあう時、その場を取り繕うような約束とそれを破られた側のはなしは、よりリアルさをもって、働き盛りの男の仕事と家族という物語のもつ哀しさはよりリアルに描かれるようになっていると思うのです。
これもトークショーによれば、なべげんの女優は誰も、この芝居が出来るようにしていて、いくつかの役者の組み合わせがあります。今回は中堅の女優ふたりの「りんご組」を。3人の役者、音響、照明、ドラマターグ兼演助のミニマムな構成でポータブルに運べる芝居なのだといいます。もっともパワフルな照明や音響の機材は運んできているようで、25時間もかけて青森から陸路運んできているとか。頭が下がります。
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コメント
いつもありがとうございますm(__)m
春公演でまた宜しくお願いします(*´∇`)
投稿: 明かり屋ま〜ちゃん | 2012.02.21 00:21