速報→「吐くほどに眠る」ガレキの太鼓
2012.01.08 18:00 {CoRich]
去年夏の初演作を再演。105分。劇場は初演からは広くなって15日までアゴラ劇場。
中央に台となるような舞台、周りにたくさんの洋服、一人、語る女以外はすべて役者が入れ替わり立ち替わり、女の半生を追います。子供の頃の家族のこと、中学生、高校生となり、社会人となり、そして女がどうしてここでインタビューのようなことをされているのか、ということが明らかになる終盤。
物語の印象は変わりません。物語にとって重要な終盤よりも序盤の楽しげなシーンの数々の方がよく覚えていたりして、つくづく記憶力というものがアタシは薄いのだなと感じたりもします。トークショーによれば、初演に比べると終盤のところ、兄と女に関わる物語が変わっているようです。でも、やっぱり楽しげな序盤から青春時代、恋心なんていう流れのあたりの方が、好きだなぁと思うのです。物語が語りたいこと、というのとは少し違うと思うのですが。
兄に甘える一方だった幼い頃、優しい兄のちょっと弱いところを目の当たりにしてしまったことで、めいっぱい背伸びして、支えていかなければ、役に立たなくちゃと追い込まれていく感じの後半。それは息苦しく、しかし本人は至って肩肘はって前向きという「ポジティブな閉塞」。傍目で見ているほうが辛くなります。
劇場がかわったことのメリットもあります。 エレベータの上に個室を作ることができるのは新しいメリットだということが明確です。
高橋智子が実にいいのです。役者の中では背の高い役者ですから、父親、兄、同級生とくるくると変わる役ですが、それぞれに説得力、迫力、優しさ、あるいは弱さを描き出す確かなちからが圧巻。
トークショーによれば、作家は三歳年上の兄、というぐらいは作家の現実とのつながりなのだといいます。 大きな違いは、終盤での兄のありかた。今作では終盤には出てきません。あまりにそれだけのショックがあればおかしくもなるだろう、ということで観客から遠くなってしまうということを避け、観客に愛される人物を作ろうと腐心したのだといいます。その結果、日常起こり得る出来事からのフラッシュバック、という説得力のあるシーン。もうひとつ「吐くほどに」は、吐いてしまうほど、ぐっすりとめいっぱい眠りたい、ということ。
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