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2012.01.30

速報→「カップルズ」鵺的(ぬえてき)

2012.1.29 19:00 [CoRich]

アタシは劇団の公演としては初めてです。刺激的な四組のカップルたちのチラシ(実際には役者の写らないチラシが別にありますが)が印象に残る90分。31日まで「劇」小劇場。

新興のベンチャーの社長、震災のあとに「勃つ」ようになったのをきっかけに、高層マンションの上層の部屋を借り、親しい友人たちだけを呼んだり、買った女を招いたりしている秘密の場所。会社の秘書はこれも仕事と割り切り、その場所のあれこれに気を配る。

ネタバレになるのを避けて書くのはちょっと難しい気はしますが、捻れた関係をさまざまに作り出すように「カップル」を描きます。それは四種類のチラシのそれぞれのカップル、ということではなく、三角だったり、見守る二人だったり、ハメられた女だったり、夫婦のことだったり、昔からの馴染みだったり。タイトルこそカップルだけれど、それはどうしようもなく、そうなってしまった人々の哀しさが浮き上がるのです。

性癖というか、なにを好きだと思い、何に欲情し、何を大切だと思い、何を見下すのか、というのは本当に千差万別。セックスを扱う扇情的で眼福なシーンも多いけれど、それが続けば続くほど、その向こうに哀しさが見えてしまうのは、アタシのある種の性癖に引っかかるところがあるのか、それともアタシが歳をとったから俯瞰して見えちゃうからなのか。あるいは仕事ということ、会社に対する思いなどさまざま含めて、自分への対話をしながら観ていた気がします。そういう意味で、後から反芻して、どっぷり浸り込むという感じの芝居なのかもしれません。

杉木隆幸は何かを隠すように突っ張り続ける「男」をきっちりと。宮嶋美子を舞台で拝見するのは久しぶりな気がしますが、ビッチっぷりをたっぷりと、しかしその奥で包み込むような広さが出る役が印象的です。橋本恵一郎は私たちの視座(会社員)からは一番近い言動で、この物語世界の基点を支えます。同じような立場を演じる宍戸香那恵はクールに見栄えを声が更に印象的にして、今作の中ではもっとも印象に残ります。もっとも、彼女を突き動かすものが「新しい会社に引き抜かれなかった」ということだけには見えない、というアタシの友人の指摘はその通りだと思いますが、これは作家の責任なのか、演じ方ゆえなのかは、よくわかりません。外山弥生は美人なのに(本当に申し訳ないけれど)ひとめ見て不幸に見えてしまうという女優に希有なルックスを存分に、ゆえに本人が幸福を感じ続けているという役柄は理解するも、コミカルな「鼻血」が必要だったのかは、アタシとしては今一つ解せませんが。

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