速報→「STRIKE BACK先輩」デス電所
2011.12.24 14:00 [CoRich]
アタシは初めて拝見します。クリスマスにこれを観るのもちょっと乙な感じのデスなミュージカル。120分。25日まで中野・ポケット。
妻の実家近くに家を構えた放送作家。都心からはずいぶん離れてしまった。そこに突然6年間音信不通だった妻の姉夫婦が訪れるて、住んでいる場所に来て欲しいという。行ってみれば猫カフェの二階。オーナーはこの町に中学生で突然現れ、それからこの町をずっと仕切ってきた妻の「先輩」の男だった。その男は刑事がつきまとう。周りの人間がもう何人も姿を消しているのだ。
心地よいというか、信じたい言葉を発する人を信じてしまったことで、立ち止まることも引き返すこともできずに思えば遠くに来てしまった町の人々。それだけのちからのある言葉を発する人だから正しいとは限らない、というのは、今年の私たちが311以降、ずっと感じてきたことだという気がするのです。それはあの日以降に起きたことばかりじゃなくて、そこまでに繋がる、復興の上り坂をのぼってきた人々には敬意を払いつつも、でも、こうなる前にどうにかなるターニングポイントはいくつもあったはず、なのだという気持ちなのです。
物語のほうは、信じろという事実上の権力者の言葉の心地よさや安心感。やばいとおもっていても、たとえば殺人、たとえば人を消すことを続けてしまう人々。もちろん平静ではいられませんから、この気持ちのもちよう、保ちようをさがす方法、それは物語を生み、新しい人の台詞を生み。それは悪くなっていくいっぽうの世界で、自分が生きていくために縋るわらしべだと思うのです。
それにしてもこれをミュージカルとして疾走させる力。序盤の映像のセンス、あるいは説明を詰め込む曲もあって、どこか新感線の雰囲気(もうずいぶん観てないけど)すら感じるのです。
じっさいのところ、アタシとしてはまったく候補にしていなかった今週末の一本、昨日のアタシの師匠が薦めてくれたのでここに。その理由たる、葛木英。チューブトップ、オーバーオール、猫耳、首輪とさまざまな衣装が楽しいけれど、こんなにも歌って踊るか、という瞬発力にちょっとびっくり(失礼)。確かに目も顔も細い彼女だけれど、登場の役はたしかにこういう雰囲気ってのはほとんどない気がします。
あるいは今奈良孝行の怪しく圧巻で信じさせてしまうようなちから。あるいは羽鳥名美子もきっちりと歌い踊り。田島杏子に目を奪われてしまうアタシもどうかと思いますが、それだけの破壊力。
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