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2011.12.25

速報→「腐れ愛しい」ペナペナG×早稲田大学演劇倶楽部

2011.12.23 19:00 [CoRich]

早稲田大学演劇倶楽部(エンクラ)の企画公演、ペナペナG名義。あたしは初見です。26日まで。早稲田大学学生会館B202。130分。アナウンスはありますが、場内はシャレにならないぐらい暑くなりますので、覚悟をして。

女子大生、破格で住んでいるアパート。前の住人の漫画家の卵たちがまだ居座っていたりする。かつてバンドを組んでいた二人からもらった人形はずっと部屋に居るし、押入に貼ってある時東ぁみのポスター。

コの時囲みの客席、客席入って正面はスクリーンを兼ねていたりも。なのであたしの座った端の席からでは正直見えません。ジャングルジムのように組まれたイントレも効果的という感じでないのは惜しい。

バンドをやっていた時のほのかな恋心、何かがきっかけでそれがなくなってしまって、この部屋の日々の大騒ぎに疲れた感じ、もう何もない、女子力のないままこのまま朽ちていくのではないかという諦めと恐怖。しっかりと大学に行っている幼なじみや、愛されキャラ押しで男に取り入る女、自覚などなくても破壊力一杯な美人など、「冴えないわたし」に対する敵となる女たちを細かく描き分ける作家・須賀麻維子のコンプレックスとも思える執拗さが実にいいのです。前の住人の漫画家の卵のだめ男たちにはズブズブに利用されていたりする流され易さというのもなんかいいのです。

たいていの場合、こういう材料を揃えると、当然セックス、みたいなことになりがちなのだけれどそこを完全に無視して踏みとどまるのはちょっと凄い気がします。もちろん現実感という点では薄くなるともいえますが、ここまで潔く描けばたいしたもの。

黒タイツ姿の女三人、実は「うらみ」「つらみ」「にくみ」という名前をもっていて、主人公の女の心の中の舌打ち感のようなものを体言。途中で当日パンフを目にして気づいたけれど、それがちょっとわかりにくいのは惜しい感じ。出入りがバタバタするのも少し残念。だけれど、このアイディアというか見せ方はおもしろくて、印象に残ります。

コンプレックス女を演じた栗原香は必死さ、余裕のなさ感が実によくて、観ているアタシにとっては愛おしささえ感じるのです。

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