速報→「奇跡の剣」RPM-P
2011.11.13 16:00 [CoRich]
2去年の演劇祭の企画で招かれた後藤ひろひと(当日パンフの出演者たちがみんなヒゲを描いてるのが楽しい)が、その後松本でワークショップ「ロイヤルプラントin松本」を開催。そのメンバー達による公演。60分。上土ふれあいホール
一人の作家が締め切りをすぎても全く書けず、苦し紛れにひねりだしたのが、同じように台本が書けないまま公演を間近にした劇団の座付き作家の話だった。公演を間近にして全体を書き直して作り直そうとすらしている。劇団の人々はそれでもがんばって稽古を続けるが、ある日、劇団員の一人が、全身が茄子のかぶりモノのような女を目にするが、ほかのメンバーには見えない。しかし、徐々に見えるメンバーは増えていく。見えるようになると、かつての公演でヒロインをやったすっかり忘れられた女のことと、その公演で起きた事実を思い出す。
作家が書いたでたらめかもしれないし、過去の真実かも知れない話、というフォーマットは後藤ひろひとの遊気舎時代の名作「人間風車」 (1, 2, 3) に近いフォーマットなのです。謎めいたキャラクタたちが謎めいた物語を進めながら徐々にその背景が見えてきます。正直にいえば、ヒロインを演じた女と、それ以外の劇団の人々の立場がくるりとひっくり返った瞬間に瞬発力が欲しい気もしますし、物語に対して役者が多い感じがあって、きちんと語られない役もいくつかあるのも惜しい感じ。
それでも、こういうフォーマットの芝居を地方で観られることの嬉しさ、後藤ひろひとの小劇場での芝居というのもなかなか叶わぬ夢ですから、ワークショップから立ち上げた劇団が公演を打てる環境というのはとても大切なことだと思うのです。
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