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2011.11.15

速報→「a Happy Box」れんげでごはん

2011.11.12 21:00 [CoRich]

ピカデリーホールというとても大きな劇場だけれど、結構ちゃんと観客で埋まるというのはきちんと観客にリーチする力があるのだろうというアタシ的注目株の劇団。60分。

突然ある部屋に閉じ込められた男、「二階だけ生活」と名付けられた箱状の建物。隣の部屋にはここに10年暮らしているという男がいる。感情の起伏に応じて体温が急激に上昇下降してしまい、触れた人をやけどさせてしまうという原因不明の難病の治療のため、隔離するための施設なのだという。ここに居続けた男はすでにあきらめているが、まだ入ったばかりの男はあきらめることができない。

感情の起伏、男二人のバディムービーというか、動かないロードムービーというか、以外にありそうでなさそうな仕立てのフォーマット。 二階建ての部屋にするというのは、そこから逃げられないようにするという説明はされるものの、じっさいのところ物語の上で積極的な意味があるような感じではありません。が、たっぱのあるピカデリーホールをどうやって埋めるのか、という点では意味があって、少ない人数の役者なのにそれほどのすかすかにならないというのはこの舞台の効果も多いように思います。

徐々に芽生える友情、あきらめていた男にも生きる希望が芽生えていくという過程は、登場人物がきっちりと変化していくという意味で見応えのある奥行きを生んでいます。

お目付役兼世話係だったり、給食の担当といった人々の行動は確かにとっぴ。だけれど、たとえば渡辺千晴演じるこの無茶な設定を短い時間の中でスムーズに描き出すためにはプラスに働いています。吹き矢なんていう小ネタを使うのも後からその訓練をするシーンがあったりして結構楽しい。 小澤鮎美演じる給食の担当は、結局のところ作ったものに対する食べてくれるかどうかという反応だけを生き甲斐にしているのだけれど、それはある種真実なのだろうとも思います。(給食の)作り手が反応を気にして直接患者たちに聞いてしまうことの突飛さがおもしろさというか。ちょっとでも褒められると嬉しくて素直に過剰なほど喜んでしまうというのも、どこかかわいらしい。

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