速報→「沈み愛」ガラス玉遊戯
2011.10.1 14:00 [CoRich]
アタシは初見の劇団です。T1-project(こちらも未見)はやけに多くの役者を抱えていますが、その若手を中心に据えたユニットのよう。2日まで「劇」小劇場。90分。
二次会の打ち合わせの為に集まった大学時代のサークルの仲間たち。その中の一人の弟が結婚することになったのだ。集まるのが久しぶりになったのは、中の一人が視力を失い、その原因が彼らにあるからで...
サークルの仲間たち、その間の恋愛模様。よく考えたら相当にドロドロな話。一人の失明した男の少し屈折した感じと、その仲間たちのある種の罪悪感をベースに、笑いらしい笑いはほとんどなく、ごく静かに物語は進みます。突出した驚きではないけれど、違和感というか嫌な感じの空気が延々と流れ続けるというのは元気が吸い取られるようなところがあって、見る側の体力にもよる感じではあります。
ドロドロとした恋愛模様、というよりはもはや愛憎劇。語られる好き、という感覚がなんていうんだろう、心からの好意というのではなくて、同情だったり感謝だったり、あるいは自分に利があるということだったりという感じなのは、「沈んでいく愛」という感じにはよくあっているけれど、見目麗しい役者ばかりだというのもあって、美しく描き込まれているしその背景としての奥行きもあるのに、人間の体温が低い感じで、感情で動いていない感じになるのは、恋愛の話としては不思議な味わいになっています。
肉食女子を演じた守美樹は、少々無理矢理な押し込み強盗ならぬ押しつけがましく口説きにかかる割に、それがさめてしまう瞬間の落差だったり、でも病院にいくときのやけに勝負服だったりという色気にやられる感じで、実はいいアクセントになっています。関西弁でじつは一番観客の視点に近い(が、それを普通云うのははばかられる)女を演じた西尾美鈴はあけすけだけれど、素直というポジションを好演。
いくつかの場面があって、それは時系列なのだけど大雨の夜、病院のことというシーンの間には相当な時間が流れているのがちょっとわかりにくい感じ。ソファーの裏の狭さやガラスのコップなど動線が盲目の男の家としてはちょっと妙な感じなのはまあ、具象と見るべきではないのかもしれません。
当日パンフに俳優名だけで役名を記さないのは予断をさせないため、ということかもしれませんが、個人的にはあんまりうれしくない感じがします。じゃあwebで探そうとおもってもガラス玉遊戯のwebには写真らしい写真はなく、その母体となったT1-Projectを見なさい、ということか。
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□がらだまブログ:『ガラス玉遊戯「沈み愛」出演者紹介』
http://ameblo.jp/garadama-blog/entry-11037897467.html
投稿: ガラス玉遊戯 制作 とみえ | 2011.10.05 14:20