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2011.10.11

速報→「三鷹の化け物」ろりえ

2011.10.9 14:00 [CoRich]

ろりえの新作、気がつけば175分。10日まで三鷹芸術文官センター星のホール。

お笑いを目指しているが相方が先に売れてしまった。泣いていると同じ川原に女の子が泣いているので引きこもりの兄と二人で暮らしている家につれて帰るものの、好きになってしまったのに先には進めず。男は放送作家の集まりに喫茶店に行く。その商店街は例に漏れず景気が悪い。母親との電話は時々で、ある日の電話をきっかけに母親の怒りが爆発して。

空間が埋められずに敗退する劇団が多いこの劇場。まるで川原の芝生のような場所、いくつかの室内をその中に組み込んだ舞台美術。両端に急斜面。終盤ではもう一つサプライズがあって、その驚きという楽しさは間違いなくあるのです。アタシはそこよりもむしろ、川原や斜面、客席背面を縦横無尽に疾走する役者たちを観る楽しさ。電動自転車を使うというのは新しいアイディアで、斜面の角度と、その登るスピード感とのバランスを崩すように作るのが実に面白いのです。

正直に言うと、本筋の恋人の物語に対してカウンターとなる女(中村梨那の登場シーンは息をのむほどに美しくて眼福)の三角関係のようなもの、がほっぽりっぱなしな感じがして少々もったいない感じがあります。空間を埋めることには貢献しているものの、物語に対してはキャストの人数があっていない感じはあって、もっときゅっとコンパクトに創れるはずだと思うのです。 キャストの多さと作家の責任なのは、時間の長さで、いくつもの物語を放り込んだりした結果だと思うのだけれど、この劇団、わりと観客に何かの我慢を強いるというのがフォーマットになっている感があって、それは今作においても継承されているのです。

梅舟 惟永はまっすぐな想いの強さに説得力。後藤剛範の情けなさとは違うコミカルな感じは珍しくて楽しい。久保貫太郎のお兄ちゃん感は役柄とは別になんかほっこりしてしまう感じはあふれる優しさオーラのようなものがなせる技か。

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