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2011.10.16

速報→「散る 散る 満ちる・その2」東京ネジ

2011.10.15 17:00 [CoRich]

東京ネジのカフェ公演。昨年冬のカフェ公演に続くものだったのかなぁと思いつつ、楽しみに向かった70分。二本立て。16日まで、なんてんcafe。

繰り返し読む手紙、軒下にあるタイムカプセルの中、未来の私に向けて書いた「手紙」( 原案・宮沢賢治「手紙 四」 (青空文庫))
店じまいをした店主のところにスーパーの籠を抱えた女が入ってくる。15年前の6月6日に勤めていた会社の社員食堂で昼食に食べたものを思い出してくれないと、彼女の先輩が罪に問われてしまうのだという「奥村さんのお茄子」 (原作・高野文子「棒がいっぽん」(wikipedia)所収」

「手紙」の方はインスタレーションのような仕上がり。宮沢賢治の作品の朗読をバックにもちながらも、物語としてはそこを直接描くわけではありません。昔に書いた手紙を繰り返し読むという気持ちの何か。中盤ではさまる女三人の会話(ふきちゃん、などと呼びかけるので、ここは役者の地の会話という設定のよう)の、グータンヌーボ感がむしろ楽しめると思ってしまうのは、あたしの下世話さか。

「奥村さん〜」の方は、しっかりと物語。宇宙人がでてきたりするSFな話なのだけれど、社員食堂だったり茄子だったり、ビデオのメディアの意外さだったりとびっくりするほど機械ってものがでてこないおもしろさ。15年前に食べた茄子の味といわれても、というシュールすぎる設定は彼女たちの創作ではないようで、原作のぶっとびっぷりに驚くのです。更に終盤でもうひとつひっくり返すのも物語のおもしろさ。なるほど宇宙人らしいSF風味の設定、のわりになんかものすごく時間軸が悠久の時という感じでもあっておもしろいのです。

三つあるバージョンのうち、あたしが観たのは佐々木なふみ出演のCバージョン。ほかとの違いはわからないけれど、wikipediaにかかれた原作の雰囲気には近い感じの仕上がりのよう。googleの画像検索をしてみるとそういう物語の雰囲気をきちんと描いているということがわかります。 抜けた感じでもあり、かわいらしい感じでもあって、ニュートラルな仕上がり。残りの二バージョンでどういう違いがでるのかなというのは確かに観てみたいなぁとおもわせるのですが、一週末で三バージョンは、さすがに押し込めないのが惜しい。

会場のなんてんcafeは、有楽町線の要町からほど近い古民家風の建物だけれど、よく見てみると柱などは古いもので壁や天井は新しい。こういう建物の作り方もあるのだなぁと思うのです。物語に合わせて上演場所を選んだのだというのはわかる感じがします。

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