« 2011年8月 | トップページ | 2011年10月 »

2011.09.27

速報→「コーヒー、キライ」あひるなんちゃら関村と味わい堂々浅野の二人芝居

2011.9.25 15:00 [CoRich]

あひるなんちゃらの作・演、関村俊介と、味わい堂々の女優、浅野千鶴の二人芝居40分。25日まで、ラ・グロット

喫茶店に兄を呼びだした妹は開口一番「死んでほしい」という。25にもなってアイドルを目指しているから話題がほしいのだという。いろいろ止めようとする兄だが、妹は本気だ。何回か会議を重ねるうちに突破口がありそうで。

。 机といすふたつ、コップに水。役者が素のまま入ってきて前説したりしてゆるゆると始まります。ふつうならアイドルは引退する年から目指す妹という序盤、今更それを云うなよという兄の掛け合い。何回かの場は日を改めて徐々に変わる二人の想いと関係。こりゃだめだ、と思っても離れられないという意味では兄妹というのは巧い設定です。時間軸があるから変化が見られるという設定の妙。

blogをわざと炎上させて危なっかしい妹、YouTubeについて動画(兄はダンスをとかとアドバイスするが、妹はセル画を自分で描くとか)って簡単にできるかと兄に訊ねる妹のなんか絶妙な兄からの見える妹の可愛らしさが全開。そういえば前回本公演の(サッカーのルールを覚える気がない監督を演じた)金沢涼恵もそういう可愛らしさだったなぁと思うのです。なんだこのキュンとする気持ち。

兄は実はアイドル好きのおじさん、という属性がついています。妹が語るアイドルってものはさ、という提供する側の視点と、アイドルにこっちが(勝手に)期待しているものという絶妙な対立点はぐんぐんと面白いのです。その先の兄が突破口を見いだしてからのくるりとスイッチする瞬間からのおかしさが実に楽しいなぁ。

アイドルを目指す、という枠組みだけれどそれは大都市だけで成立するという近さじゃなくて、どう考えても無理な遠さからという視点で描かれている物語はポータビリティに優れていて、喫茶店で、25歳ぐらいの女性、30過ぎぐらいの男性、というだけでできるのです。青年団ともチェルフィッチュとも違う、もうひとつ先の現代口語演劇ってのが演出できるかどうか(地方なら地方なりのやりかたもありそう)にかかっていますが、これはいいテキストだなと思うのです。戯曲はオンラインでpdfの300円。そういえば前回のも買ってないけれど、いつか必ず。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「ちょぼくれ花咲男」文月堂

2011.9.24 19:00 [CoRich]

文月堂の新作は劇団初の時代劇。楽曲・踊りも多くエンタテインメントな気楽だと思っていると人情劇だったりする130分。25日までサンモールスタジオ。

江戸、見世物の一座。捕まえてみれば兄弟の男たち。兄は屁を面白く聞かせる芸「花咲き」で稼いで盗んだ金額を返すことにり、その芸であっという間に人気者になる。兄は忘れられない女が花街にいて、弟は座長の娘に惚れていて。種違いの兄弟には二人も知らない秘密もあって。

時代劇の中でも芝居一座など町人たちの芝居。非差別民のような解説はあっても、時代が下ってその由来も曖昧になって貧乏だけれどバイタリティあふれる人々、というようなフォーマット。わりとちゃんと着物だったりと相当に手間も費用もかけている感じ。踊りもたくさんあって、活動写真全盛期の時代劇のような華やかさ。

屁を聞かせる芸、というまあしょうもないネタをきっかけにしながらも、出生の秘密から姫の憑き物、幼い恋心に難病、富くじや出演枠をめぐってのどたばた、花街の悲恋に江戸の大火と、胸焼けするほどにいわゆる時代劇で描ける物語を弁当箱にぎっちり詰め込んだようで、実に濃密なのです。

正直にいえば、物語そのものは、それそれがどこかで見たような話だったりはするのだけれど、それをこの密度で120分に詰め込み、しかも小劇場で成立させてパッケージにしていることこそが、斬新さよりも安心なエンタテインメントをうまく紡ぐ今作の真骨頂だと思うのです。

骨格はこのままにして、たとえば商業演劇(あんまり好きじゃないけれど、この文脈ではほめ言葉として使ってるつもりです)として、新宿コマ劇場で座長役を北島三郎がやっていてもおかしくない、という手触りがあります。役者という意味では、そういうけれん味という点で小劇場は少々不利ではあるのだけれど、屁の芸の長八郎を演じた牧野耕治や座長を演じた前田こうしん、普段みかける芝居ではそれほど目立つ感じではありませんが、今作においては年齢を重ねた味のようなものが物語によくあっています。座長の娘を演じた田中玲のたどたどしさ、憑き物のついた姫を演じた辻沢綾香のバランスの絶妙、花街の女を演じた石川美帆の華やかさが実にいいのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.25

速報→「ホットパーティクル」ミナモザ

2011.9.24 15:00 [CoRich]

瀬戸山美咲の新作。311の後の原発と、作家自身の物語をドキュメンタリーとして描くのだという120分。27日まで雑遊。

311のあと、9月に上演する芝居に頭を悩ませる作家。もうフィクションを描いても無力と感じ、何を書いていいのかほんとうにわからなくなっている。古典をやるべきだというドラマターグの助言はあるが、どうしても今を描きたくてしかたがない。友人たちを誘い、原発に「会いに」いこうと車に乗るが、結局たどり着くことはできない。題材ゆえに出演者のオファーも難航し、脚本も進まない。

社会派を謳う劇団が原発を題材にしないのはどうにも許しがたい、という作家の言葉があったりするけれど、今作に原発にまつわるいわゆる社会派な芝居を期待して見に行くと大きく肩すかしを食らうことになります。どちらかというと社会につながってる「私」の物語であって、原発はそれを引き出す舞台に過ぎません。今も現在進行で深刻な現実を、「私」を語る手として使うのは両刃の剣で、賛否両論どころか、袋たたきにあっても仕方ないとすらおもうのです。

子供産めなくなるかも、それは捨てるものがなく、頼る男もいないからの自暴自棄だけど本当に子供が産めなくてもいいのか、という文脈。でも、現在進行の原発を理由にこれを語る台詞はあまりに雑ではあります。が、その荒っぽさは彼女が逡巡するなかで一瞬頭をよぎっただけかもしれないほんとうの想いなのだなと思うのです。

あたしの友人は今作での作家のことを「西原理恵子のようだ」と云います。毎日かあさんからこっちはあまり知らないけれど、「できるかな」路線のような、体当たり破滅型のクリエーターだなと思うのです。そこに男運の無さという倉田真由美をトッピング。出版ならば編集や会社というものが作家を守ったり、あるいは世間に受け入れられるように整えるわけですが、小劇場の現場では作家自身の(一瞬雑になってしまう)想いは観客によってはひどくショックを受けたり、あるいはバッシングの対象になってしまうはずですが、それをなんとか踏ん張って形にしているのは今作においてはドラマターグというポジション(いや、越えているな)の中田顕史郎なのです。小劇場ならば影響範囲は限られますが、もしこの路線を続けるならば(終盤でもう自分を語らなくてもいい、という台詞がありますが)、ドラマターグの存在以外にも受け入れられる形を助言してくれる人間が絶対に必要だと思うのです。

何かの主張を載せるというのとは違う、膨大に膨れ上がる思い、その一つ一つは間違いも無知も恥ずかしいこともあるけれど、それをそのままさらけ出すというプロセスを提示するという方向を選ぶのも、サイバラっぽいのです。

前半は舞台奥に設えられた車を中心に話が進みます。取材というにはあまりに物見遊山に見えてしまうし、雑な感じすら受ける最初の福島への旅。ことさらに露悪的で、物語にもつながらない単発の言葉は大臣が云えば一発で辞任になってしまいそう。一瞬頭をかすめるようなことがあっても、ふつうだったら発言したり舞台に載せたりはしないようなところもさらけだしてしまうのは誠実と云えば誠実だけれど、序盤のその違和感は、相当損をしている感じがするのです。登場人物たちも実在だと当日パンフにはあります。

ネタバレかも。

続きを読む "速報→「ホットパーティクル」ミナモザ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.21

速報→「非国民文化祭」笑の内閣

2011.9.19 13:00

[CoRich]

90分。京都発のコントグループ。19日までシアターKASSAI。

安全でかわいい女の子、大活躍「原子力少女ぷるとちゃん」
右へ右へのバラエティ「田母神俊雄アワー ウヨっていいとも」
ピンチの場面、監督は指示を出そうとするが、優秀な女子マネはみんなで決めなければいけないと云って「もしも高校野球部の女子マネージャーがマルクスの資本論を読んだら」
科学特捜隊の隊長を呼び出して不要だと一刀両断にしたのは「科学特捜隊事業仕分けにあう」
あの家族、学校に行きたくない女の子、公務に出られない母親「日本一危険なホームコメディ 殿下さん」
あの女が死んでしまったのは無理な勤務のせいで、労働基準監督局の木村伝兵衛が立ち上がる「ワタミ殺人事件」
やりたがりの王様のために避妊法を開発した男の話「コンドーム伯爵VS危ない大司教」

いわゆるニュースペーパー風の体裁、政治家やら事件やらを揶揄したりするフォーマット。もうちょっと違うところでは日刊乾電池ニュース(劇団乾電池が昼の「笑ってる場合ですよ」でコントを毎日やっていた)の味わいも。

昨日観たシティボーイズに比べると、より東北が遠いという京都生まれ故なのか、東北に対しての想いが薄い「ぷるとちゃん」は、ちょっとあんまりよくない感じ。「〜いいとも」はまあネタですが、本人がアルタに出演しちゃった今となっては。「もしマル(クス)」はむしろその後の学会ネタで繰り返す感じでおもしろさ。「殿下さん」はんー。まあ象徴なんだけど、人間に対しての敬意が薄いのは皇室が京都に戻ってこないからか。「コンドーム〜」は「法王庁以外(笑)の避妊法」というはなし。

圧巻でおもしろかったのは「和民殺人事件」でした。木村伝兵衛のを演じた眞野ともき、がすごくて、一度観たら忘れない感じです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.20

速報→「動かない蟻」シティーボーイズ

2011.9.18 17:00 [CoRich]

世田谷パブリックシアターに移って二年目、秋という時期もむしろ気持ちがいいのです。120分。19日まで。そのあと名古屋、大阪。

1.呼び出されて出かける男、集えばそれぞれ手にするのは
2.墓参りに来ている男女、その墓の前で出会い、降ってきた雨を相合い傘で。ならば動物を見に行くか、と歩き始める。ベンチには。
3.農家、去年農業体験で訪れた若者が定住して初めての収穫をもってお礼に訪れる。彼には目的はあるけれど、この村の人々の特異な能力に気づいてしまう。
4.マンションの一室、初老の男たち3人で住んでいるところに「美人さん」が何回か訪れている。女が持ってくるものはことごとく不要品な感じだけれど。 5.ベンチのホームレスのところに現れたのは「ユメの石松」と名乗る三度笠。銀河系一番の親分といえばのコスモの次郎長だけれど、その子分。 6.残ったコタツの足を手に、して歩く男、養蜂っぽい箱の横に座る男に出会って。 7. 志に燃える学生、一生懸命。そこに新しい同級生、同じ名前。 8.草はむしられてしまった。いろいろ考えてしまうという悩みの男、頭を真っ白にすればいいというアドバイスを授ける男は本当に中身が空っぽになっていて。 9. 墓参りの女の家へ。カーテンの向こう側に政治家の。 10. 溶けている柱。コタツの足を探しにきた男、 賢者というオランウータン、人間のものだったけれど、今は守り神。封鎖されている場所。

作家を変えたからなのか、311があったからかわからないけれど、物語は分かりやすく、現実の出来事(まあ、メッセージ性)を織り込むように。実に見やすい。この現実に強い衝撃を受けている人にとってこれがどう見えるかはわからないのですが、きちんと笑いにつなげるだけの物量というか圧巻のばかばかしい圧力もあったりして、これは一つの突破の方法だろうと思うのです。

終幕の強いメッセージ性、働けー、と云われているのは象徴としての東電なのだろうけれど、そりゃ作業員じゃないんじゃない、と感じてしまうのはちょっともったいない感じも。「コスモの次郎長」ってのはドラムをたたく浪曲師とマゾっけな男という見事に前衛なのだけど、そこからの展開のくだらなさがたのし。オランウータンを巡る、学校の場面はもしかしたら現実にあるんじゃないかという感じすらしてしまう感動巨編に。アタシが好きなのは、老人3人が暮らすマンションの話。なんかちょっと身につまされる感じもあるけれど、なんともいえない「ジジイたちの味わい」のようなものが存分にあって、実にいい感じなのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「悩殺ハムレット」柿喰う客

2011.9.18 14:00 [CoRich]

柿喰う客の新たなシリーズ、女優だけで演じられる「女体シェイクスピア」の第一段。90分。25日までシアタートラム。

お恥ずかしながら、ハムレット(wikipedia)、ちゃんと読んだこともないし、実は芝居でも見たことがありません。言葉は現代風にしているけれど、わりときっちり原作どおり。だから原作知ってるゆえの楽しさ、のようなものは実はわからないのかもしれませんが、そんなこととは関係なく、スピーディーで適度に軽くて、しかも登場人物が混乱しない(アタシは実はここがほんとに弱い)ので、実に見やすくて物語がすっと入ってきます。「子供のための」というわけには行きませんが「見慣れない人のためにも」なるシェイクスピアの構成で、すそ野の広さを感じるのです。

言葉は、今の若者の、しかもどちらかというと「チャラい」言葉で構成。チラシににもあるような、ホスト風・キャバクラ風の衣装の構成は、トークショーによれば、ハムレットという物語から「夜」を感じたところからのひらめきだと云います。これもトークショーによれば、少なくなった語彙をリズムやイントネーションでいろんな意味を持たせるというのがイマドキな若者言葉になるし、クラブ風の強いビートの音楽が全体を貫いていて、実に見やすい構成。再構成されていて、カットされた部分があるとはいえ、濃縮された90分。

薄っぺらい言葉を幾重にも圧倒的に積み重ねれば厚みになるというのが、アタシが感じる柿のスタイルですが、物語を原作に依存できる今作においては、むしろ台詞の量そのものは少ない感じ。よりリズムに乗せた感じで、人の悲劇を横から盗み観るようで、でもどこか絵空事のような客観視点でというのも面白い感じです。すっと人物が現れ、すっと消える。目の前で見えるものは、奥行きというよりは、一枚の画のようで、そこに言葉のリズムだったりということで奥行きが増えるよう。巧くいえないけれど。

なんせこの眼福、そこにこの見やすさと、濃密さ。シリーズ化されるというのが実に楽しみになりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.19

速報→「もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡」(B)もじゃもじゃ頭とへらへら眼鏡

2011.9.17 19:00 [CoRich]

三本ずつの短編をa/bの二バージョンで。予約していたa版は遅刻で観られず、b版を。110分。神奈川県青少年センター2F。a版の方がポップらしいですが、こっちを観るスケジュールになりました。

学校をさぼりまくる女子高生。アートが好きで作ったのは『美しい原爆』というインスタレーション。が、母親は被爆三世、その父親も出てきて説得を試みるが「MBAB」
裏切られて部屋に引きこもった男。友達が頻繁に遊びに来たり、NPOで活躍する彼女もいるが「ヤマタカミ2/11」
往来でタンスを引っ張ってきて座っている男の物語「ヨコハマ箪笥事情」

「MBAB」は今この時期に無神経な題材だと思わせて始まります。経験していない彼女にとっては、それまでの連続する時間を断ち切るような奇跡として賞賛すべきものに見えているが、被爆二世三世の母親と祖父が対峙するという枠組み。無神経でも何でもアートを名乗れば許されるという幼い発想が起点に。明確には語られないけれど、物語は一種の大人の階段上るための挫折というかすり合わせに着地します。

正直に言うと、もう少し刈り込んでタイトに行きたい感じではあります。母親を演じた須藤旭はある種の出オチだけれど、立ちふさがる壁のようで神々しささえ。娘を演じた三枝ゆきのはその対比と影をにおわせつつ弾ける感じ。演出はポップだけれど、心底物語もポップな題材でもう一回拝見したい気がします。

「ヤマタカミ〜」は引きこもっている男の部屋、バンドで友人に裏切られてはいるが、ギターは捨てられず拘泥している男。隣のゴミ屋敷と、そこからやってくる妖精のような女の子が峻別するという設定がちょっと巧いと思うのです。友達は働き、彼女も元気いっぱいで眩しいという感じは鬱屈してしまった男の視点としてなるほどと思うのです。個人的にはこちらももう少し刈り込んだほうが好きだなと思うのです。舞台奥の玄関・廊下という二カ所を重ねて見せるのは凝っていますが、今ひとつそれが効果的にはなっていない感じが惜しいのです。

「〜箪笥事情」はb編の中では大爆笑編でもあって、パワフル。路上に古いタンスを引きずってきた男の方につけられた「質札」の謎の一人語り。聞くも涙な人情話。落語に仕立てても面白そうだけれど、むしろ大道芸のフィールドで勝負している感じが劇中でも云われる「昭和」な感じで面白い。劇中云われる紅葉坂だと少々往来というには弱いし、みなとみらいじゃ風情がないけれど、たとえば伊勢佐木町あたり、いや東京でも十分いけそうで、往来でこれやってくれないかなぁ。東京芸術劇場の前の広場とかでもできそう。佃典彦の脚本は楽しく、しかし昭和丸だしの男の悲哀が見え隠れがなんか身に沁みる感じがします。 観た三本の中では爆笑編というのもあって、いちばん好きな感じ。

子供の頃はプラネタリウムに通った青少年センター、久しぶりにきてみれば周囲は一変。建物の外観はあのころのままだだけれど、中に入ってみれば展示室だったあたりがリノベーションされていてずいぶん雰囲気が変わっています。演劇資料室なんてものもできていて、ここで日がな一日過ごすのも楽しそうです。

30分×3本というアナウンスがある割に終わってみれば110分なのはちょっとマイナス。それならむしろ云わない方が親切だと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「お裁縫とセックス」海ガメのゴサン

2011.9.17 15:00 [CoRich]

三十代の女優四人で立ち上げたというユニット。三人の作家によるオムニバス、70分。18日までルデコ4。

ファーストフードで駄弁る三人の女。彼氏と些細な喧嘩をしたと相談する女、が、向こうから女連れで歩いてくる男は「恋愛WINNER」
ボーリング場の常連客らしい地方の女たち4人。主婦だったりバツイチだったりするが、彼女たちの目的はこの店のイケメン店長だったりして「ママさんボーリング」
三十を過ぎたのに男とつきあったことのない女。友達を家に呼んでコックリさんしてたりする。が、出前持ちの男に一目惚れしてしまい、つきあうことになったが、いよいよその段になって「狐うどんの女」

それぞれの物語にはつながりはなくて、いわゆる三十女たちの風景を点描。

「恋愛〜」は可愛らしく天然に見えてちょっとエキセントリックな感じの女の話と、無茶ぶりな質問に答えた男に対する女たちの反応の無茶というかそりゃないよ、な反応がポイントか。だから何?と思わないことはないのだけど、その雰囲気が楽しい感じで。

「〜ボーリング」はイケメンなのに変態の男、でも、それでも大好きだというバツイチ女という、悲恋といえば悲恋なハセガワアユム節。その変態性がばれる課程がちょっと面白い。聞き違えで興奮した男をどこまで見てるんだってぐらいに気づく女たちもけっこう怖い感じではあります。本題とはちょっと違うところだけれど、「自分は人に興味がない、だけれど、あなたたちは仲がよくて互いに興味があるんでしょ」というのがちょっといい感じです。

「狐うどん〜」はちょっとホラーテイストをもちつつ。三十過ぎの処女をなんであそこまで忌み嫌うのか、という気がしないでもないのだけれど、じっさいのところ、彼女がそう感じているのだという風に見えないこともなくて、そのなんだろう、引け目な感じをうまく作っています。明るく聞き上手な女だったら違う人生かも、という夢想をそれぞれの役者のキャラクタで見せるのもちょっと面白い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.13

速報→「キサマが地獄に堕ちるまで」ドリームダン・散歩道楽

2011.8.11 18:00 [CoRich] 散歩道楽の中のユニット、ドリームダン( 1, 2, 3)、ずいぶん久しぶりに拝見したと思ったら、すでに六回目に。

町工場のあった場所。訪れた老人は住んでいる夫婦に襲いかかる。かつてここの工場で起きたこと。少ない人数の工場、父親の急逝を経てホストから息子が二代目社長になっていた。中国からの研修生、アルバイト、女の子。平穏無事な日々だったが、そこに喪服の女が現れて、先代の社長に線香をあげさせてほしいという。ここからが歯車の狂いはじめ。

のんびりした生活の中に突如入り込んできた異物。それゆえにコミュニティが崩壊して、この場所を愛していたバイトが復讐に訪れる、というのはなるほど起伏に富んだ物語んだのです。

正直に云うと、単なるキャラだけになってるキャストが居たりしてタイトな感じにならないのが惜しいのです。 それにしてもずいぶんと達者なキャストをそろえたものです。安東桂吾のふわっとした気楽な感じ、石塚義高の誠実な感じ、菊池美里のたどたどしく見えて(実は圧巻に)巧いかんじ、あるいは太田善也のオヤジ感、笹峯愛の惑わす感じ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「女がつらいよ」MCR

2011.,8.11 15:00 [CoRich]

MCRの新作。90分。毎日日替わりでゲストを迎えて10分程度の二人芝居を終演後に設定。11日まで王子小劇場。

あずきちゃんの恋人は、夜遅くに突然血塗れで現れたりする。彼の仕事は害虫駆除だというけれどどうも本当のことを言ってるようには思えない。ある日、定期検診の精密検査で余命半年を宣言されてしまうが、どうしてもそれを彼に伝えることができない。

本当の自分のことを伝えない強い意志のヒロインを小椋あずきが好演。というか、やせ我慢してでも笑顔を絶やさないというのは、まさに彼女の姿にみえてしまうのです。がんばりを見せないやせ我慢とでもいいましょうか、そのかっこよさ、それが崩れてしまうという隙があったりするのも巧い感じ。あるいは、男は聞かれたことで根本のところは答えられないけれど、少しだけ話してしまうけれど、女は徹底して隠し通しているというのもヒロインのかっこよさにつながります。そうそう、心が弱いとついつい話してしまうのようねぇ、とか自覚したりして。

自分の悩み、弱みを恋人に見せずに隠し通すのか、それとも共有していくのかというあたりのかなり根本なあたありをしっかりと描きます。笑いも多いのだけれど、それよりもなんか哲学的な香りすらして深いなぁと想うのです。

近藤美月演じる医者は、圧巻の破壊力をついつい期待してしまうけれど、あたしの期待がいたずらに高かった分、少々不発気味の感。医療関係者という役柄ゆえか、たまにオカシナことを云っても、根本では常識的な感じで、すこしばかり肩すかし。ヒロインとのぶつかり合いが観たかったところではあります。

二人芝居、楽日は瀧川英次。足が痛い男と友人らしい男の会話。序盤で通風の話かと思ったのは自分がそうだからですが(泣)、ゾンビに足を咬まれてしまって、ゾンビになりかけている男と友人の境界線という感じで、夕日が似合いそうな味のある仕上がり。丁々発止の爆笑編かと勝手に思っていたあたしには少しばかり肩すかしな感もありますが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.11

速報→「秘密裏にどうぞ(ガールズパジャマパーティ編)」ガレキの太鼓

2011.9.10 20:30 [CoRich]

2010年版と同じタイトルだけれど2011年版と銘打たれた今作はフォーマットこそ同じですが、まったく違う物語になっています。60分ほど。12日まで。

大きな一軒家にシェアしている若者たちのうちの一部屋。女友達三人で酒を呑んだり語り明かしたりするパジャマパーティ。一人は結婚していて子供が居て、それゆえに寂しい。一人は恋人が居るけれど、微妙にだめンズっぽいし、結婚したいとは思っていない。一人は男が居ない。

女性三人ぐだぐだ話というのが大好きなフォーマットのアタシです。行きつ戻りつしながら少しずつ話していること、悩み、考えていることなんてのが見えてくる楽しさ。男に関すること、自分に関すること、体に関すること、世間のこと、地震のこと、昔のこと、会社のこと。ほんとうに話題はとりとめないのです。物語というよりは、こういう空間の空気をしっかり作り出す感じこそが、このフォーマットのおもしろさだと思うのです。

菅谷和美は可愛らしさ。子持ちという設定もしかし、どこか説得力。小瀧万梨子は、ちょっと眼福な場面ありつつ、しかし、笑顔だったり自然な感じが実に等身大っぽくて楽しい。作家・舘そらみはぼやき漫才のような口調も楽しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「秘密裏にどうぞ(男女同窓会物語編)」ガレキの太鼓

2011.9.10 19:20 [CoRich]

今回の公演の中ではもっとも大人数をもっとも大きな部屋で。しかしこの一軒家、3階建ての豪華な作りだけれど、個人宅ではないよなぁ。物語中に出てくる地下室を(待合室にある平面図にある)見に行くのを忘れたのが惜しい60分ほど。12日まで。

若者たちが大きな家をシェアして住んでいる。その共同のリビング。久しぶりに集う同級生たち、明日は同級生の家に行くのだ。ほとんどは地元を出て、東京に来ている。地元から出てきた彼は地元の最近の様子を教えてくれる。久しぶりに会う元カレ元カノやら。

同窓会の甘酸っぱい恋心のようなフレイバーはあっても、物語全体としては色っぽさというのはまったくなくて、今回の中ではもっとも社会派寄りの作りに感じます。物語の軸は地元への想いと、自分たちの人生設計のさまざまなパターンだと思うのです。

アタシにとっての地元は横浜で、今居るのが松本ですから彼らとは逆の立場ではあります。まだ幸いに親は健在ですが、どうしていくのか、というのはまだまだ切実ではありません。でも、町が縮んでく感じというか、人が減っていく感じというのはなんとなくわかるのです。そういう意味では青年団リンクっぽいともいえるとおもうのです。

彼らの時代は地方ではあっても、町にはきっと活気があって、そこで暮らしていくというのも十分に現実的だったのだと思うのです。が、親が高齢になり、医療が維持できなくなるということがおこれば、なるほどこう考えるよなと思うのです。そいういう意味では他の物語と同様に、これもまた彼らにとって切実な問題から描き出された物語の一つ、そういう意味のちょっとしたリアルさを感じさせるのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「秘密裏にどうぞ(あやういカップル編)」ガレキの太鼓

2011.9.10 18:20 [CoRich]

今回の公演のなかで最も少ない人数の構成、切なさと色っぽさと、諦めの悪さが同居する60分ほど。今回の中ではもっとも夢中に観てしまうのはアタシがオヤジだからか、物語の色っぽさゆえか。

ベッドで寝ている女、DVDを観ている男。女が起きる。一晩を伴にしたらしいが、二人は恋人でも夫婦でもなくて、親友のはずだった。

なんかね、いつか観たAVで居酒屋で女の子と二人で呑んで、そのままゴニョゴニョっていう主観カメラで撮影したやつがあったのですね。そういう感じが前段にある感じで、そのものの場面こそないけれど、物語全体の淫靡さが一つの魅力。

もう一つの魅力は、「してしまったあとの男女」の駆け引きやら。行きずりというわけではない二人ゆえに、離れがたい気持ちもあるし、でももう一度はあり得ないという感じの行きつ戻りつを繰り返す感じ。なるほど、相手のことを魅力的だと思っているし信用しているし、たぶんいままでも彼らにはそうなりかけた場面があったのかもしれないと思ったりもするのだけれど、それで一線を越えた後に、でもまだ友達ではありたい、という二人の思い。引けば踏み込むし、踏み込めば引かれるというバランスがなるほど「あやうい」と思うのです。それはアタシが大好きで自分のブログの名前にもしちゃってるあの名作にも通じるシチュエーションだけれど、でも、もっとあからさまで、見方によっちゃあ卑猥でもあって。

しかし、してしまったセックス自体はとてもよかった、ということをきちんとあからさまに表明させる、というのはこの離れがたさのいくつかの要素の一つとして確実に機能していて、それが実にいい感じです。 男の情けないほどの諦めの悪さ、女性の断固としながら揺れ動く感じはなんかちょっと甘酸っぱい感じすらしてしまうのです。遠い日の花火のよう(泣)。

末吉康一郎演じる男のなんか子供っぽさ。南波早の寝起きから素に戻り、色っぽさの垣間見えるあたり、まるで別人のように変わる表情が凄い。化粧を変えずに衣装と髪型だけでこれをきっちりと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「秘密裏にどうぞ(家族になりたい〜巻き込まれ型)」ガレキの太鼓

2011.9.10 18:00 [CoRich]

60分ぐらいののぞき見公演3本と10分程度の巻き込まれ公演を組み合わせて下高井戸の一軒家の中で繰り広げられる4つの物語。まずは巻き込まれ編。7分。上演前に渡される一枚に説明が書いてありますので、それに従えば大丈夫。12日まで、10分おきの上演。

婚約をするために家を訪れた。相手は自分を連れて二階に上がって、家族と対面する。

戯曲が売られていると云うことに気づかず友人に読ませてもらった戯曲を観ると、客が男性か女性かでわけてあったり、男性でも何バージョンかあるようです。

残念ながら(泣)アタシの実体験していない場面をロールプレイするという感じ。一人の待合室が微妙に風俗っぽいなぁとおもったりもするけれど、階段を上るところからどきどきしたりもして。こんな女性が結婚してほしいなんて思うわけもないなんてことはもちろん思うわけだけれど、そんな自分の思いとは別にベルトコンベアーのようにアタシを物語に載せて運んでもらう感じではあって、それでも、そのロールプレイなりの快感があります。

一人だけで観る公演というのはたとえばZOKKY(そろそろやってはくれないか)などが思い浮かぶのですが、これはロールプレイで別の楽しさが。淫靡さはみじんもないけれど、誠意にあふれる空間というのは気持ちのいいものだと思うのです。残念といえば残念なのは、おそらくは回によってまったく違うキャストが、自分の回はいったい誰が出演だったのかということがわかりようがないところ。いったい、アタシの婚約者になってくれた人は誰だったんだろうとぼーっとしたり(だめ人間風)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「はじめてのにんげんがり」桃唄309

2011.8.10 15:00 [CoRich]

桃唄の新作。当日パンフによれば311で気持ちが変わって書かれたのだといいます。わかりづらさはありますし、ある種の日本が、人が減っていく感じも切ない115分。13日までアトリエBONBON。

弟がやりたかったカフェ、直前で居なくなり、跡を継いで開店した兄。地元の商店街の人々が訪れたりする。ドアの向こう側からひっきりなしに入ってくる男女はこの店から出られないのだという。あこがれていた女の人とはうまくいかなかったけれど。その兄も姿を消し、跡を継ぐ人が居て。

扉の向こう側に出て行っては時間が変わったこの店に出てきてしまう男女(ちょっと「クロノス・ジョウンター」やら「夏への扉」っぽい)やら、消しゴムやら、あるいは鎮守といったSF風味と、芝居の構造そのものが時間をあまりに頻繁に行き来するために物語を追いかけづらい感じは確かにあります。カフェの開店の前後、一ヶ月後、一年後、四年後あたりの場面をばらばらにつなぎ合わせて構成されているのに、見せ方としては一筋の物語としては表現されていないので、そのばらばらのピースを自分で組み合わせるというわりと大変な作業が必要で、たしかにこれは頭がクタクタになる感じです。時間軸の流れはシーンをつなぐ台詞だけが頼りだったりするのも、ちょっと大変なところ。

ネタバレかも

続きを読む "速報→「はじめてのにんげんがり」桃唄309"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.05

速報→「ノミコムオンナ」鈴木製作所

2011.9.4 17:00

当日パンフによれば「(自転車キンクリートの)鈴木(裕美)が誰に頼まれた訳でもないが、なんやりたいことをやりたい時にやる公演」の旗揚げ。ダンス苦手なアタシでも楽しめるダンス多めの105分。5日までシアターモリエール。

場末のボクシングジム。引退の近づく選手、月謝もろくに払えなかったり、なかなか成功しないダイエットのために通うメンバーと、ぱっとしないこのジムの会長はまだ選手を育てる夢を諦めていない。しかし、その妻はこの場所を改装してカフェをやりたいとずっと思っている。綺麗な娘が一人いて、外食産業の大きな会社の一人息子がこの娘に一目惚れして、そこをきっかけに妻はその夢を実現したいと思っている。新しいメンバーが入ってきた。経験ゼロなのに、ちょっと筋が良さそうで、しかも、この先行きのないジムに入ってくるだけの理由が彼にはあって。

ダンスというとどうしても苦手意識が先に立つアタシです。言葉を封じ、身体で物語を語るということはわかるものの、どうにも言葉がないということに耐えられなかったり、そもそもごく単純な物語しか語れないじゃないか、と思ったりしてしまうのです。今作はそういう意味で、複雑ではないけれど、豊かな物語をきちんと言葉でかたりつつも、ダンスだけのシーンがいくつもあって、その程良いバランスが実に気持ちいいのです。

ダンスに向いてる恋や愛といったものの2~3人のシーンは実に美しい仕上がり。見惚れてしまうというのはこういうことか、という感じ。あるいはコミカルなシーン、初っぱなのボクササイズとか、あるいは酔っぱらいと介抱のベンチのシーンは大笑いな感じで気持ちがいいのです。

★ネタバレ★

続きを読む "速報→「ノミコムオンナ」鈴木製作所"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「HELLO!」表参道ベースメントシアター

2011.9.4 13:00 [CoRich]

ワタナベエンターテイメント(ナベプロ)の持ち小屋での小劇場演劇の作演役者を招いての企画公演。90分。4日まで表参道GROUND。

サッカー優待生として横浜の高校に通うようになった猛だったが、思うような成果が残せないまま、二年後に怪我でサッカーが続けられなくなり故郷に戻ってきた。同級生のななみは同じ時期タレントとして活躍を始めたが、膨らんでいく責任に気持ちが追いつけず姿を消してしまう。

地方から東京にでていくこと、というテーマは最近の作家・上野友之が好んで取り上げています。地元に残る親と東京に出ていく息子たちだったり、その傷つく姿だったりを静かに、丁寧に描きます。正直にいうと、こういう静かな空気感は、この作家と長い時間をかけて醸し出された役者ゆえというところはあって、まだ若いタレント二人には、少々厳しい感じもあります。物語も、ごくシンプルというよりは単純に過ぎる感じはあって、ちょっと物足りない。舞台美術も、どこかコントの書き割りのようで、これなら素舞台のほうがいいのではないか、という気もします。

白又敦・三宅ひとみ、若いタレントの静かな芝居という高いハードルをなんとか。黒木絵美花、じっさいのところ傷ついて帰ってきて東京に再び出ていくという物語の中心に居るという感じ。ザンヨウコ、そこそこに若くても母親役が似合う役者というのは古くは京塚昌子、山岡久乃かという雰囲気のテイストで、強みの一つ。ちょっとお節介焼きで、でも引き際もわかってるというのが子供を育ててきた、という雰囲気で安心感。武子太郎、ベースとなるこの場所の気安さのようなものを醸して雰囲気をつくります。大川翔子、やりなれない感じの声を張り笑いを取りに行くコメディエンヌに違和感を感じたのは序盤だけで、メガネと併せてなかなか可愛らしい感じの仕上がりで、これはこれで深化できそうな雰囲気も。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

速報→「恋シテ、乙女!」イマカラメガネ

2011.9.3 14:30 [CoRich]

イマカラメガネの新作。110分。4日までOFF OFFシアター。

7年ぶりの社員旅行実施が決まり、プロジェクトチームが結成された。リーダーの女はやる気満々で計画を進めるが、ほかのメンバーたちのやる気は今一つ。まっすぐで物怖じしない女は少々煙たがられる存在だが、そんなことお構いなしに計画を進めていく。

ズケズケと物をいい、どうにも煙たがられる存在。社内では仕事ができないという烙印を押されている女。それゆえに見つけた社内旅行プロジェクトという仕事への傾注。ホレっぽくて少し適齢期も超え気味だったりもする女は、ひどくうざったい、うるさい女として描かれます。

結局はフられてしまうわけですが、彼女はあくまでも前向きです。少し涙を見せたりはするものの。これ、つまり寅さんのような手触り。演じた村山真夏は微妙な年齢の女子の夢見る気持ちのある種のイタさを存分に。妄想のシーンなんてまさにそういう感じで。こういう味わいが彼女たちらしい感じ。

社員旅行なんてものは今更やりたくないよなぁ、という気持ちの人々、何かがきっかけにベクトルが合ってしまうという瞬間のグルーブな感じは、時々経験する「見かけ上の奇跡」で、そういう雰囲気はよくでています。

。 正直に言うと、主人公の女のウザったさはわかるものの、年齢がわからない(たぶん役者は若いので)のはちょっとつらい感じ。暑がり、汗っかきってことは更年期かと思うとそうでもないように見える物語の運びは少し混乱します。

あるいは結婚を断られた理由として引っ張りだした差別の問題は、「存在していて、どうしうようもない」ものとして使っているのだろうなとは思うし、現実のなにかが作家のキッカケにかとも思います。が、単にそれだけというのは少々覚悟が足りない感じ。こういう使い方なら物語の上での効果は変わらないもっと軽い話題がほかにもありそうな気がします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.03

速報→「準決勝」あひるなんちゃら

2011.9.2 19:30 [CoRich]

あひるなんちゃらの新作。劇団員の伯美乃里の久しぶりの出演もうれしい80分。6日まで駅前劇場。講演終了後に脚本のPDF販売もあるようです。

そこで会話しているひとから、徐々に外側の枠組みが見えるという場面がいくつも。なので、ここは慎重にネタバレがわに全部持って行ってしまいます。これを巧くやるのは相当大変ですが、シチュエーションがわからなくても飽きる前に少しずつ提示されれば、その餌を糧にして観客は引き込まれていくのです。

ネタバレ

続きを読む "速報→「準決勝」あひるなんちゃら"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年8月 | トップページ | 2011年10月 »