速報→「コーヒー、キライ」あひるなんちゃら関村と味わい堂々浅野の二人芝居
2011.9.25 15:00 [CoRich]
あひるなんちゃらの作・演、関村俊介と、味わい堂々の女優、浅野千鶴の二人芝居40分。25日まで、ラ・グロット
喫茶店に兄を呼びだした妹は開口一番「死んでほしい」という。25にもなってアイドルを目指しているから話題がほしいのだという。いろいろ止めようとする兄だが、妹は本気だ。何回か会議を重ねるうちに突破口がありそうで。
。 机といすふたつ、コップに水。役者が素のまま入ってきて前説したりしてゆるゆると始まります。ふつうならアイドルは引退する年から目指す妹という序盤、今更それを云うなよという兄の掛け合い。何回かの場は日を改めて徐々に変わる二人の想いと関係。こりゃだめだ、と思っても離れられないという意味では兄妹というのは巧い設定です。時間軸があるから変化が見られるという設定の妙。
blogをわざと炎上させて危なっかしい妹、YouTubeについて動画(兄はダンスをとかとアドバイスするが、妹はセル画を自分で描くとか)って簡単にできるかと兄に訊ねる妹のなんか絶妙な兄からの見える妹の可愛らしさが全開。そういえば前回本公演の(サッカーのルールを覚える気がない監督を演じた)金沢涼恵もそういう可愛らしさだったなぁと思うのです。なんだこのキュンとする気持ち。
兄は実はアイドル好きのおじさん、という属性がついています。妹が語るアイドルってものはさ、という提供する側の視点と、アイドルにこっちが(勝手に)期待しているものという絶妙な対立点はぐんぐんと面白いのです。その先の兄が突破口を見いだしてからのくるりとスイッチする瞬間からのおかしさが実に楽しいなぁ。
アイドルを目指す、という枠組みだけれどそれは大都市だけで成立するという近さじゃなくて、どう考えても無理な遠さからという視点で描かれている物語はポータビリティに優れていて、喫茶店で、25歳ぐらいの女性、30過ぎぐらいの男性、というだけでできるのです。青年団ともチェルフィッチュとも違う、もうひとつ先の現代口語演劇ってのが演出できるかどうか(地方なら地方なりのやりかたもありそう)にかかっていますが、これはいいテキストだなと思うのです。戯曲はオンラインでpdfの300円。そういえば前回のも買ってないけれど、いつか必ず。
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