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2011.08.15

速報→「さよなら また逢う日まで」ブラジル

2011.8.14 18:00

2008年5月初演、劇団としての再演。いくらお盆期間とはいえ、14日(日曜夜)初日の16日千秋楽は過酷すぎる気がします。果たして初日は満員、15分遅れの開演。120分。

廃工場らしい場所、4年ぶりに出所した男。それを出迎えた男。4年前の7人で企てた強盗に失敗していた。みな4年の間一度も会うことはなかったが、出迎えた男の呼びかけで集まってくる。ある男はタクシー運転手としえまっとうに生きていて、ある男は相変わらず女と暮らしていてで、ある女は企業をやっていて、ある女は結婚していて。かつてリーダーだった男もやってきて。
刑務所で一緒だった男がもちかけてきた現金輸送車の強奪計画。7億円。現金輸送車の運転手までも仲間に巻き込んで、計画は完璧だ。

黒づくめの人々、犯罪の現在進行で仲間ではあるのだけれど、どこかそれぞれが信用していなくて。印象としてはレザボアドッグ(wikipedia 観たことないけど)という感じのハードボイルド。でも、過去の疑い、現状の疑いがそれぞれに。

初演の時に友人の云ったパルコ劇場でも、というのは着実に階段を上っています。正直に言えば、紀伊國屋ホールは今の若い観客では相当にみづらい劇場なのが残念。ぜひともパルコで観たいという気はします。初演のアゴラでの狭い中に人数が多すぎる感じは、紀伊國屋の舞台には栄えるバランスになりました。

アタシにとって初演のハードボイルド、謎解きの印象は、今作においては男のロマンティック、友情を最後は信じている人々の想いの物語という印象になっています。 物語というか、そこにいる人々の奥行きがぐーっと広がるような感じがします。

中川智明、怖い印象だけれども、信じるまっすぐな気持ちが通底していて観客の視座をきちんと。西山聡の想いとコミカルな感じ。櫻井智也の斜に構えた軽い笑いも印象的。奥田ワレタは美しい人妻に、高山奈央子はその細さゆえのクールさがかっこいい。

初演では6億だったのが7億になったり、4年のあいだに起きた出来事をラー油とスマートホンという新しい話題にいれかえたりはしているけれど、たとえば5月にこだわる理由はないわけで、そこを直さないのはなぜだろうと思ったり。

役名 初演(2008.5) 再演(2011.8)
伊藤隆 出所した男 西山聡
千葉基樹 出迎えた男 中川智明
青木悠 ムショで一緒だった男 諌山幸治
長谷川修 足を洗った男 辰巳智秋 服部ひろとし
森啓吾 ヒモの男 加藤慎吾(劇団印象)
宮下佳奈 怪我を負った女 谷村実紀 奥田ワレタ(クロムモリブデン)
矢野夕子 クールな女 こいけけいこ(リュカ.) 高山奈央子(KAKUTA)
大久保稔 現金輸送車の男 川島潤哉(コマツ企画) 信國輝彦 
佐々木篤 かつてリーダーだった男 櫻井智也(MCR)

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