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2011.08.15

速報→「降りそそぐ百万粒の雨さえも」キャラメルボックス

2011.8.13 14:00

劇団の人気作(1996,2001,2009)「風を継ぐもの」の後日譚となる時代劇。2002年の「裏切り御免」とあわせての三部作の完結編と紹介されています。120分。28日までサンシャイン劇場。そのあと名古屋、神戸。

鳥羽伏見の戦いに敗れ江戸での再起をかけた新撰組だったが隊士は半減し、沖田総司の労咳も思わしくなく隊から離れ養生することになった。再起をかける新撰組は幕府の命令で甲府に向かうも敗退、会津へと向かう。

再演版の「風〜」のキャストを核に、そのあとを追う物語。新撰組という集団が衰え、分裂していく時期の中で、「信じる気持ち」をまっすぐに描く熱い物語になっています。史実をベースにしながらも創作の人物を描くものがたりになっています。

アタシ自身はキャラメルにかぎらず時代劇やそれより昔の物語はその背景の知識の薄さもあって、じつのところあまり強い思い入れを持てずにいます。今作もその例には漏れないのですが、シンプルに作られた舞台をところ狭しと走り回る役者たち、その熱い想いのようなものに、心が動くのです。

衰え滅んでいく人々の物語。物語そのものはあまり前向きだったりしないというのも本当のところ。 裏切りだったり脱退だったりという人の気持ちの変化と、その中にあっても変わらず新撰組を一途に想う沖田、あるいはそこに集う人々を真っ直ぐに想い続ける、ということこそが本作の核で、マイナスな状況の中での人間の気持ちを信じているということがこの劇団らしい物語の作り方だなとも思うのです。 左東広之は情けなさというよりは真っ直ぐさが勝る印象で主役をきっちりと。畑中智行演じる沖田総司は丁寧にゆっくりと、衰えゆく時期の造型をしっかりと。 その世話係で思いを寄せる町娘を演じた實川喜美子は、発声よりも身体の動きが早いという形で、カラダをめいっぱいを使って振り絞るように想いを伝えるようすを幼さという見せ方で作り出す新しい魅力が伝わります。

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