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2011.08.17

速報→「範宙遊泳の宇宙冒険記3D」範宙遊泳

2011.8.16 14:00

新宿眼科画廊、という名前のギャラリーの地下にできた新しい劇場のこけら落とし公演。50分。17日まで新宿眼科画廊地下。

男が目覚めると知り合いがいた。宇宙船に連れていかれて、火星に行こうという。

男性の役者三人の構成。板張りの床、壁にかかるいくつかの小道具。アンドロイドと名乗る登場人物は、物語を引っ張りボケ倒していきます。物語は宇宙を巡る冒険なのだけれど、登場人物はバイト先の店長や顔は知ってるけれどシフトが全く重ならない別のバイト。全体を貫くのはゲームの枠組みで、ゲームのシステムの中での選択しがごく狭くて、壁の中のものを探すのもほとんどいちいちエラーメッセージが来たり、あからまさまにセーブを勧めてくる場所があるかと思えばセーブできないシーンがあったりとままならない強い制約の中。プレイヤーの返答をほとんど聞いていないというのも、レトロなゲームな様相。

アタシの年齢だとドラクエ第一作が大学生ぐらいだったのですが、ハマる友達を横目にそこをスルーしてしまったアタシは、老後の楽しみとうそぶくだけで自分でこの手のゲームをやったことがありません。なので、まあ雰囲気はわかるけれど、ゲームのリテラシは低いアタシには、やりたいことが今ひとつ見えない感じでは有ります。

ごく狭い暮らしの範囲を登場人物として、ゲームの中の枠組みというごくごく狭い世界。かかれたゲームのシナリオに沿わない行動ができなかったりというのは現実とゲームの境目が曖昧ということなのかとも思うのです。店長を棍棒で叩いて殺す、というのは一歩間違えば起こりかねない現実という怖さがあります。途中に挟まる現実のコンビニのシーン、店で盗まれたものの犯人として疑われた自分という構図が一瞬挟まりそこからさらに夢の世界に戻るのは、全体のキーポイント。この一つのシーンが現実と夢があいまいになっている世界を描いているように思えてならないのです。その世界にはまり込むような感覚は、たとえばネットコミュニティにはまり込んだりする、という感じで腑に落ちるなぁと思うのです。

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