速報→「tea for ONE ヒットパレード ONE act」tea for two
2011.7.16 19:30
一人芝居の三本立て。劇団のストックからの再演だといいます。80分。17日までキッド・アイラック・アートホール。
出勤の準備は万全、間に合うように家を出ようとするが、乗ろうとしている電車では不都合があって、一本遅らせていくことにしたが「朝のサラリーマン」
営業の会議。女は一人で会議を仕切り、チームをまとめようとするが、とうの部下たち、あるいはサポートすべき課長や部長までもが、まじめにやっているとは思えない態度で「会議中の女」
楽屋で台本を読み一人で稽古したりする女優。テーブルの上には無造作におかれた、葬式の礼状があって。
よく知られた歌謡曲を物語の骨組みにした「ヒットパレード」の一人芝居集。突発的に企画された公演のようで、既存のストック戯曲から立ち上げた企画公演の様相を。
「〜サラリーマン」は、バリバリ働き盛りの男の出勤直前、その後ろ髪を引いているのが、いい女、というのではなくて自分の中のある種の脆さ、というのがイマ的です。行かなきゃいけない、という責任感とのせめぎあい、アタシたちが直面する瀬戸際感にはよくあっているシチュエーションではあるものの、マンガ的に扱われる「ジェニー」の存在がそれを「気持ち悪い」と感じさせる方向に行く紙一重な感じがあります。もっとも、ここもコミカルに感じ取れればそれは大きな問題ではないのですが。
「会議中〜」は大阪生まれだけれど、大阪には帰らない、という意地を張る「女」の姿。優秀な女にモチベーションだだ下がりする男たちというのは、ここまであからさまなのは少々マンガ的な感あれど、その逆境にこそ力強く生きる女性の姿というのは今の感覚には合っている感じがします。
「楽屋〜」は既存の名作戯曲の部分部分を拾った台詞に、とシチュエーションを示すための礼状の読み上げ、ちょっと漏らす心情の一言二言だけで芝居を成立させるというワンアイディアがすばらしい。モチーフになっている歌の、歌い手のもとに届いた知人の訃報、というのが実にうまく効いていて、そのシチュエーションを事前にしめしているがために何倍にも効果的に。
キッドアイラックホールに以前来たのは何時のことだったか。駅前の再開発にともなって立て替えられたようで、新しい建物に。コンパクトな劇場で、タッパがあるというちょっと珍しい空間で、こういうコンパクトな一人芝居には向いている感じがします。綺麗で駅から近いのもいい感じです。
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