速報→「牡丹燈籠」ハイリンド
2011.7.9 14:00
落語、歌舞伎としても語られる牡丹燈籠 (wikipedia, web いくつも解説/あらすじがあります。)、がっつり物語るハイリンド版の5年ぶり再演。アタシは初見です。125分。10日までd-倉庫。
これだけさまざま上演されていながら、アタシは実のところお恥ずかしながら観たことがありませんでした。
幽霊・お露と惚れられた男・新三郎の悲恋を巡る物語は、一方で私は何も変わってないのに、「たかが死んだだけで」心変わりしてしまう男をなじる女の迫力。 お札はがしで新三郎を亡きものとしながら引き替えに金を手に入れ、商売は成功するものの妻以外の女にうつつをぬかし転落する伴蔵・おみねの業のようなもの、 演出家が当日パンフで取り上げている因縁因果を背負って生きている孝助なる男。それぞれの物語は複雑に絡み合うというのは、たしかに都合がいいともいえるけれど、巡る因果を感じさせる骨太な物語なのです。
色の違う同じような和装、落語の口調、語り手の言葉を挟みながらすすむ物語は、落語っぽい空間を作ります。舞台は二段になっていて、ほぼ何もない空間ですが、一瞬にして場面が立ち上がり、一瞬にして消え去るなど、展開が実にスムーズでかっこいい。中盤のところにインターミッション的に数分、素の役者の場面を置くのも、いい感じです。
金に目がくらみ、人の道を踏み外す夫婦を演じた伊原農、枝元萌は、ときにコミカルに、ときに強い業をきっちりと。前半の悲恋を支える鬼塚俊秀、牛水里美の美しい光景、日本的な所作の前半での死のシーンよりも、後半で使用人が取り付かれるシーンに見慣れた感じがしてしまうのはご愛敬ですが、どちらもかっちり。 阿川竜一、小林愛演じる夫婦もまた愛欲と金に目がくらんだクチだけれど特に小林愛演じるお国のヒールっぷりは徹底していて魅力的。
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