速報→「野ばら」ワワフラミンゴ
2011.7.24 14:00
ワワフラミンゴの二演目連続上演企画。55分。飛び飛びで30日まで下北沢のカフェ、cafe viet arco。
ほぼ2、3人のシーンが延々続きます。互いのシーンはつながってるようだけど、唐突で個々のシーンのおもしろさがあっても、全体で何かの大きなものがたりというわけではありません。時々SF風味だったり、恋愛相談だったり、時に冗談めいた感じの、しかし大騒ぎしないで体温低いままにぼけてつっこんでいる感じというか。飲み屋での大騒ぎじゃなくて、女子同士の静かなクスクス感を楽しみます。 物語が構成されないこういう話は苦手なはずのアタシなのですが、じっさいのところ、ワワフラミンゴは欠かさず観たい劇団の一つです。いわゆる女子の会話をのぞき観るような感じが大好きなのだということが大きく影響しているということは間違いないのですが。
恋人の話、振られて貰った慰謝料という名前の小金のはなし、年下のカレの話、デートはあぶないからやめた方がいいよという説得、あるいは男友達のために代わりにつきあって、と伝えること、大事なものをとりあげちゃうんだよ、という恋愛のコツなど、互いには関係ないけれど恋愛にまつわるさまざまな断片。作家自身の恋愛に直結してるとはさすがに思わないけれど、でもどこか覚めた視点で恋愛を見つめているのに、そのわくわく浮かれる感じのにじみ出させ方も含めて、こんなにバラバラなのに世界観としては筋が通ってるかんじの強さがあると思うのです。それに見事にのっかれるアタシもどうかしてますが。
めがねを探すシーンで現れる謎のメモ。台本のように男子学生二人の会話劇、という体裁の短い対話。何気ないけれど、どこかきゃっきゃしているホモソーシャル((c)宇多丸/TBSラジオ・ウイークエンドッシャッフル)感がにじみ出るようで、もしかしたらBLかと思わせる感じも、こういう女子たちの世界のなかに置くのは生々しさがない「何か」を観ている彼女たちの世界の見え方の一つに感じられておもしろい感じがします。
この年下のカレを語るシーンのちょっとお姉さんはいってる女子語り、後輩にデートは危険と説く先輩女子の語り、 恋愛に正解はないけれど、頭おかしい感じもおもしろい。 同級生らしい男の告白を仲介するシーンもありそうな感じでなんかおもしろ感じ。私自身が一番大切、という自身たっぷりな語り口も、今の女子っぽくておもしろい。 それにしてもこの濃密な会話というのはすごい感じ。わずか50分ちょいぐらいの時間だけれど、シーン相互の綱我が薄いということを差し引いても、実に濃密に語ります。戯曲は本当におもしろそうだなぁ、ちょっと読んでみたいよななぁとおもいつつ。pdfで売ってはくれないかと思ったり思わなかったり
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