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2011.07.03

速報→「5分だけあげる」MU

2011.7.2 19:00

2008年初演作を3年ぶり再演。観てるはずなのだけど、アタシの記憶力のなさにガッカリしつつも骨格が鮮やかに思い出される60分。終演後に過去作品の映像を上映。土曜夜は「便所の落書き屋さん(2009.5)」

地方都市、学級が崩壊している感じの小学校。6年生の授業参観日。同級生の二人は 早めに登校するが、ほかの同級生は教師が気に入らないと云って授業をボイコットする。担任はといえば、早朝の教室の教卓の下に時限爆弾を置いている。二人だけの児童で授業参観が始まるかに見えたが、昨日の出来事を知った親たちが校長室に怒鳴り込んでくる..

教卓、机。廊下は教室をぐるりと取り囲むようにみたてたシンプルな空間。底上げされた床の部分に文庫本が並べられたりしていて、ちょっと素敵な感じです。 反吐を吐くような悪意の満ちるネットのサイト、ここを出て行きたい幼きロミジュリ、地方都市の現実。作家の生まれがどこかはわからないけれど、何もないというよりは、中途半端な巨大モールとロードサイドのチェーン店が出来てしまえばこの土地でも暮らせていける半面、ここからは出られなくなってしまうのだというある種の危機感、現在進行形の地方都市をリアルな感じで作り出します。

思わせぶりだったり、意味ありげな言葉がちりばめられたいちいち密度の濃い台詞。少々抽象的な感じはするものの、リズムのようなものがあるのか、聞いていて気持ちを載せやすい感じが気持ちいい。 教室とファーストフード店店内を同じ空間で切り替えずにやるというのも、やってしまえばそれほど違和感のないもので、全体の尺をコンパクトに収めることに寄与しています。

終演後のロビーで作家を捕まえて聞いてみれば、初演ではもっとコミカルな感じだったものを空間に合わせて演出を変えたようです。それは成功しているようで、シンプル故の物語の強さが際だちます。役者も入れ替わります。小学生の女の子を演じた今城文恵が大人と子どもの狭間をしっかりと。強く未来を考え、いまをまっすぐにいきる小6を説得力をもって演じます。久保亜津子は個人的には決して好きなタイプの役者ではありませんが、静かに内面に燃えさかりしっかりと軸のある人物を好演し、この物語に実にマッチします。女の子の母親を演じた大久保千晴の面倒くさい感じも実にいいのです。

当日パンフに手を抜く劇団数あれど今作の当日パンフは読みやすく必要な情報が細やかに作り込まれて丁寧です。言葉の一つ一つがきちんと書き込まれていて、作家の想いも伝わってくるようです。その当日パンフ、「フィクションの強度」を気にして再演を決めるという判断力、ああ、なるほどなぁ、それは大切だよなぁと目から鱗。

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