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2011.07.25

速報→「葉山」3.14ch

2011.7.23 19:30

猫☆魂の役者、ムランティン・タランティーノの作演による、3.14chのニ本め公演。24日までワーサルシアター、100分。

葉山にある元リゾートホテルという建物。CM撮影に使う予定で押さえた広告代理店の女は、アクシデントで空いてしまったこの部屋を自分の恋人のバンドとそのメンバーたちの夏の数日のバカンスに提供することにする。喜びいさんでやってくるメンバーや友人たち。が、その日から台風が接近し、刑事がメンバーの一人を参考人として話を聞きたいと訪ねてくる。

ワーサルシアターの幅を目一杯使って建て込んだリゾートマンション風の部屋、夏のリゾートを満喫するかのように、惚れたはれたどころか、ナンパして女の子連れ込んで飲み会してみたり、別れを切り出すタイミングを伺っていたり、あるいは曲作りや小説というクリエータの一面だったり。アタシの実感としては伴わないけれど、きっとこういう夏の過ごし方もきっとどこかにあるのでしょう(泣)。無理矢理感はともなうものの、夏らしい眼福があったりとところどころに楽しめる感じも。

中盤に現れる刑事の告げる、元カノの謎の死亡、こわれてしまう元カレ。ここまで追い込んだ後に、一転して、くるりと世界が裏返ったような不思議な展開。何か異世界をのぞき観るような不思議な手触りの作り方で、芝居だから生きるバランスを感じます。そこに起きたことはなんだったのだろう、もしかしたら夢だったり薬のなか朦朧とする意識の中でみた何かという感じにも見えて、ちょっとおもしろいのです。

当日パンフで演出自身が云っているように、正直再前列では視界が広すぎるという点でも、イスやソファに起因する死角が多すぎる感じがします。致命的というわけではないのですが、どうしてもいらいらは溜まります。
あるいはメンバーの一人の恋人からみとはいえ、到着していきなりの彼らの仲間内の方向性の確認のような会話は、それが距離ある他人の場ならいきなりやるのは違和感があるし、とても親しんだ間柄なら、いまさらはなすようなことじゃない気もして、こちらも違和感があります。あるいは「プール」の水の扱いにしても、そのシズル感は楽しいけれど、床一面にぶちまけ、水をたらしぱなしというのは、なんかふつうの感覚として違和感があるのです。まあ、実際のところ「くるりと世界が裏返る」のだからそういうリアルを追い求める芝居じゃないのだから、そこに突っ込みを入れるべきではないのかもしれません。

部屋の中のプール、という無茶な設定。物語の上でどうしても必要という感じでもないのですが、いやいや、なかなかのしずる感もあるし、それよりなにせ、眼福です(←オヤジ)。 あまり長いこと引っ張らないのも、アクセントとして効果的です。

_ 中央に写真を配して、まわりを折り込んだちらし、なるほど、文庫本サイズのブックカバーとして使える仕様なのだそう。なるほどなるほど。ちょっと面白い。

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