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2011.07.04

速報→「2」コロブチカ

2011.7.3 14:30

30分の二人芝居三本立て公演、5分の休憩を挟んで100分。3日まで雑遊。

自分の部屋を突然訪れた知らない女、向こうの部屋で寝ているおばあちゃんに、自分は誰だと問われて、鏡で自分に自分は誰かと問いかけると「sweet motion」(作演・コロ)
縛られ監禁されている男。自分の妻を寝取られたことを盗み見た妻の日記で知った夫の仕業だった。が、妻の行方は二人とも知らず「グットフェローズ」(作・竹内佑)
オヤジに援助交際している二人の女子高生、金を持っているそのオヤジを金属バットで殴り殺して金を巻き上げようと相談している「来週は桶狭間の合戦」(作演・中屋敷法仁)

わせ。

「sweet〜」はコロとしての作演(初?)挑戦だそう。どこかで見たような名前の文字が含まれる二人の登場人物、自ら誰だと問い続けるとわからなくなる、という「ゲシュタルト実験」という言葉を通しての自分という存在をあわせ鏡。自分探しの結果というのではなくて、痴呆気味の祖母に「おまえは誰なんだ」と問いかけられたということがきっかけになったというのがどこかリアルを感じさせます。モデルのように見目麗しい二人をあわせ鏡にするというのは眼福な時間だけれど、わりと抽象的だったり唐突だったりと続く思索の物語を背負うのは少々荷が重い感じはするけれど。

「グッドフェローズ」は寝取られた男と寝取った男の二人、その愛憎劇かと思わせた序盤から、居なくなった妻をめぐるホラー風味。終幕の一瞬にかいま見える何かのタイミング勝負だったりもするけれど、結果、芝居ではなかなか難しいビジュアルのホラーをきっちりとしているのは「ウーマンインブラック」のような味わい。 ブルーシートを敷いてまでも血塗れにして見せるというのは確かに見ためのホラー風味はあるけれど、こういう短編集の中の一本にするなら、その準備・撤収の間延び感がもったいない感じがします。 コント風味の軽快さやパワーというのは役者の力が存分に。その復讐劇かとおもっていると後半に至って姿の見えなくなった妻の謎めいた「ずっと一緒」という言葉に至り一気にホラーの強度があがります。
日光すげー、あの寺(間違い)いつかブレイクするね、というあたりの日記の軽いニュアンスはおもしろい。

再演だという「来週〜」は役者一人の駆け引きのように見えて、きっちり作り込まれたと思われる芝居のおもしろさ。状況を説明していく序盤は芝居の体裁なのだけど、途中は漫才のような軽やかさと会話の密度。 来週の「奇襲」に向けての相談を時にずっこけ、ときに無理矢理感を漂わせながらしていくのは本当に漫才の風味でもあって楽しい。 じつはあんまり意味のある会話をしているわけではないけれど、実力のある役者のぶつかり合いをみるだけでこの濃密感がすごい。可愛らしさと迫力をあわせ持つコロ、声の幅に惚れる。それに加えてオヤジも一瞬演じる堀越涼のダイナミックレンジの広さはホントにスゴいなと思うのです。

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