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2011.07.18

速報→「11のささやかな嘘」ジェットラグ

2011.7.16 16:30

ブラジリィー・アン・山田の作、古川貴義の演出にバラエティに富んだ11名の役者たちのプロデュース公演。90分。18日まで銀座みゆき館劇場。

自殺した作家の四十九日。デビューで賞をとった一本以来、未完の連載ばかりで作品が発表できていなかった作家だが、出版社の担当編集や次の作品の準備を進めていたという別の出版社の担当、友人と名乗る男や生前のトラブルで示談交渉しにきた男、弟子を名乗る人々、12年ぶりに会いに来た女などさまざまな人々が現れてもめ始めるが....

それぞれの人物が少しばかりのいくつかの嘘をついていて、それを持ち寄っていく感じ。正直にいえば、この作家であればもっといけるはずだという期待感はあって、それぞれの役が一つづつの、ある程度の大きさの嘘をついていてくれたり、嘘のベクトルがそろっていれば構造としてきれいだろうなあと思いますが、そこまでは至りません。

ベースとなる物語はベタな愛憎や金にまつわるもので、下世話なゴシップにはなっても、それだけでは芝居にはならないもの。解き明かすべき謎や嘘よりは、観客も含めた全体の枠でそこかしこに隠された嘘をこれでもかと明かしていく感じの物量感で流れを作ります。

当初はなかなか正体を現さない男の正体、という嘘のあたりは鮮やかだし、一人のはずの弟子の二人目が現れた時の一人目のテンパり具合にしても、あるいは謎めいた女が12年待ち続けた理由や、出版といいながら仕事をしているとは思えない女の嘘の色っぽさも、ちょっとやられる感じ。反面、11人の登場人物を少々持て余している感もあって、これだけそろえた割にはちょっとバランスがよくないもったいなさ、というのもオールスターになりがちなプロデュース公演の弱点という気がします。

李千鶴は舞台にい続けることで、ここに居ない作家に寄り添う感じに。清水那保は珍しいパンツスーツ姿にちょっとどきっとする美しさが。梅舟惟永の大事に育てられたのだろうな、と思わせるまっすぐさがよく似合います。飛鳥凛は今風の「箸が転がっても笑う」若い女の子を見事に体現しています。

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