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2011.06.12

速報→「賢治島探検記」キャラメルボックス

2011.6.10 19:00

三演め、の賢治島( 1)、初演は2002年のシアターアプルでした。被災地にもっていくための路上前提の演出で。17日まで、サンシャイン劇場。もともと4つの短編からなりますが、3つに減らして、二つのバージョンで上演。千秋楽以外にはトークショーを設定、ラスト4ステージには療養していた西川浩幸の出演が発表されました。

この場所にあると突き止めた賢治島研究の教授。学生たちを連れてフィールドワークに訪れる。
二人の男、山中で迷いたどり着いた店は「注文の厳しい料理店」
楽団の男、うまく弾けなくて怒られたり。深夜の自宅で 練習しているといろんな来客があって「ゴーシュ弾かれのセロ」
病弱な母親の牛乳をもらいにいって、待つ間にうつらうつらと「光速銀河鉄道の夜。

「注文~」は実にコミカルで笑いにあふれます。テレビのバラエティのような笑いのとりかたですが、これはこれで見慣れない観客の敷居を下げるのに効果的。物語がもともと持つ、はちゃめちゃなシュールさとのバランスがとてもいい感じがします。

「ゴーシュ~」もコミカルな雰囲気。初演からこの公演の企画をしている坂口理恵の魅力にあふれます。歌声だったり、暗転中の表情だったり。暗転の瞬間に一言、ちょっとよけいなことを云う大内厚雄の味は作り込んでいるのかアドリブなのかはわかりませんが、力の抜け具合が絶妙で肩の力が抜けてうれしい。

「光速~」は銀河鉄道の夜をそのまま舞台にあげた感じ。前の二つと異なり、コミカルは影を潜めていて、全体に平板なトーンが続く前半のテンションの維持が少し難しいアタシです。観客が立ったまま、つまり途中から見たり立ち去ってしまう可能性のある路上での上演を意識するなら、演じる側の宮沢賢治へのリスペクトは強く感じつつも、もうちょっとシビアにタイトに作り込みたいところ。 たとえば前後半にわけて、間に演奏を持ってくるとか、別の物語を挟むとか、という感じのメリハリがほしい感じがします。 たとえばKAKUTAのリーディング公演のそういう感じがいいのかなと思ったり思わなかったり。

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