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2011.06.12

速報→「ヒア・カムズ・ザ・サン」」キャラメルボックス

2011.6.10 14:00

キャラメルボックス、怒濤のハーフタイムシアターの新作。60分ぴったり。大阪のあと、19日までサンシャイン劇場。東駅袋駅からの地下通路で濡れずにいけるのもうれしい6月。

出版社で編集をしている30歳の男、品物や場所に残された記憶が見える能力を持っている。同僚の女性にプロポーズをしたけれど、その返事の代わりに、成田に20年ぶりの父親を迎えにいってほしいといわれる。

コミカルに始まる序盤。プロポーズの場、その女性の過去の記憶を読んでしまったが為に始まるある種のめくるめく感が楽しい。

映画の仕事をしているはずの父親のモノから読みとる記憶はそれを表していないという謎はやがて、20年会っていなかった(離婚した)妻と娘に会うために帰国する理由にゆるやかに繋がるのです。些細な言葉を少しずつ刻みつつ進む物語はやがてパノラミックに広がるラストシーン。

正直にいえば、「水平線~」と対比すると新作特有の違和感というかこなれていない感が残ります。それが何か、というのはよくわからないのだけれど。

男を演じた阿部丈二は情けない感じから頑張って脱皮する感じ。岡内美喜子の泣きじゃくるシーンが美しい。軽やかな序盤、ラストシーンの後ろ姿、指先まできっちり、とても素敵。妹を演じた渡邊安理の物語を転がす感じ、妹キャラっぽいのがうれしい。

出版社の人々も、父親の造形もやけにヤクザっぽい感じはキャラメルでは珍しい感じ。もっとも、父親の造形に関して云えば、西川浩幸の降板による代役をきっちりと岡田達也が「地平線~」とのコントラストをつくるため、とも思います。

平日昼公演、アタシは有給休暇を使って。さすがに集客はきついと見えて、劇場の通路より後ろの席は高校生の団体を。ざわつく感じも懐かしいけれど、きちんと芝居は静かに観て。

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