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2011.06.21

速報→「チェリーの巣」ユニットニット

2011.6.19 13:00

ワークショップを中心とした「芝居塾」の卒業生による地元・松本の女性三人のユニット、二回目の公演。70分。19日まで信濃ギャラリー。平日夜遅い公演があったり、隣の劇場とのハシゴが可能なタイムテーブルなど、個人的には嬉しい配慮も。

父親の虐待の末死んでしまった女の幽霊の居る部屋。その無念を晴らすべく捜査のために女刑事が部屋を訪れるが、彼女の姿を見ることができず、「霊能力捜査官」なる特殊技能の女を高額で雇い補助を求める。

わりといい歳のはずの女性三人。女子高生、婦人警官、バスローブ姿とコスプレチックな衣装は出オチの感もあるけれど、とってつけたような終盤での種明かしよりは、それぞれの役割をシンボリックに表す、いわば「着ぐるみ」というべきのような機能を持っているのかと思ったりもします。一方で、いい歳の女のコスプレというある種の痛さも含めて作り込もうという一種の覚悟、という気もします。

女の霊と、それを強く助けたいとおっもう刑事、高額な報酬がどうにも怪しい女。それぞれのある種、狸の化かし合いのようなところ。女子高生の虐待の末の死亡の謎は徐々に明かされていきますが、 霊能力捜査官なる女の正体や、刑事の持つやけに大きなバッグの中身と、その意味はなかなか明かされません。その化かし合いならば、コンゲームのような鮮やかさが欲しいところだけれど、少々手間取る印象なのはもったいない感じがします。もっとも、コミカルで進むわりには「覗いちゃいけない、(心の)穴」という要素も多くて、どういうジャンルの芝居なのか、という点では少々判断にとまどいますから、何が正解なのかというのはわからないわけですが。

正直にいえば、そのコスプレ衣装のわりには、それぞれの役はほとんど説明のないまま、謎めいたままの状況で、進む序盤はどうにもとらえどころに戸惑う感じがあったりもします。もう少し枠組みを早く見せてくれた方が個人的には嬉しいなと思ったり。

ドタバタと慌てふためくようなコミカルは気楽で楽しい感じ。信濃ギャラリーというごくコンパクトな空間ゆえの濃密さがあって、ステージ数を増やしていくというやりかたのほうが、元映画館という規模のピカデリーホールよりは、少なくとも今のスタイルの芝居ならば、彼女達にはフィットしている感じがします。

キャスト表に役名がないので、どうにも一致がとれないのですが、 一番若い、と紹介されたバスローブ姿で突っ走る青柳孝子(だと思う)は奮闘する感も含めて印象に残ります。

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